makiのきまぐれ読書日記

読んだ本を忘れないように。。。

三島屋変調百物語八之続 「賽子と虻」

宮部みゆきさんの三島屋変調百物語の8弾。

相も変わらず私好みの分厚い1冊であるにもかかわらず、今回は3つしかないんだ。

って言いながら、最後まで読んでしまったら、最初のほうの話は忘れちゃうのが私。っていか、ラストの印象が強く残っちゃうから読メの255文字では記録できない。。。

ゆえに、1話ごとに、覚書を。。。(って言いながら、模倣犯の第3章は書いてないってのに倣い、この本もこの記事だけになるかもしれないっていうのは誰にもわからない。。。)

 

 

とりあえず第1話「賽子と虻」である。

 

余談であるが、賽子、「さいころ」と読むのが正しいのであろうが字の並びからどうしても「さいこ」と読みたくなってしまう。そして虻は「はち」・・・じゃない「アブ」だ。でもハチとアブの違いはよくわからんのよ。。。両方羽があっておお尻に針をもってるよね。。。ただアブのがたしか、体躯がまん丸い??

やたらと出てくる漢字に心惑わされる私なのであった。。。

 

語り手餅太郎が、虻の呪いにかかった姉を助けようとして、神の国(賭博の里)に飛ばされてしまったお話。彼、餅太郎が三島屋にやってきて自身の体験を語ってるわけだから、その神の国から帰ってきたことに間違いはないはずだけれども、その時以来「笑顔を忘れたまま」であることがネックになる。

守り神(?)の賽子キリ次郎(二代目はおだい)や、紙人形との助け合いで仕事にも慣れ、同じくとばされてきた弥生お嬢さんとの出会い。さらには、いかわいい燕の神様を助け、そしていい方向に向かってるように見えたのに。。。

 

ひょんなことから現世というか、実家?に帰ったらその故郷宇月藩は「国替え」で、藩主が変わっていた。新しい藩主は、人々がそれに頼って(すがって?)生きてきた神様さえも燃やして絶やしてしまう。。。人の業とはなんたることか!!穏やかにともに生きてきた(ちょっとなぁなぁになったのはあれかもだけれども)その土地のすべてを変えてしまう。

いきなりの私事だが、身売りされてトップが変わった職場にいる私としても身につまされる思いであるが、あんなにはひどいことは起こらないはず、、、そう信じたい。。。

土地の人たちもそう思っていたはずだけど、ひどい目にあって、そして餅太郎も彼自身にでなく、いつか彼らのもとに帰りたいと願った餅太郎の身内の人たちがひどい目にあって命はないだろうと聞かされる。。。せっかく帰ってきたのに。。。

 

 

おちかから受け継いで二代目の聞き手となった小旦那富次郎。

聞いて聞き捨てのおきてを破り、最後の氏子という役割(?)を餅太郎に与え、再びお姉さんやら弥生さんとの思い出の編み込み草履を編んで見せてほしい、商売にできるかどうか。。。なんてことを持ち掛ける。最後の氏子として誇りをもって生きなおそうと。。。

富次郎は、疱瘡伸に愛された三島屋百物語の守り人お勝さんに気配りできる優しさがある。話を聞きながら自分自身が恐れおののいてしまうかわいげもある。

でも、あるいは、だからなのか??もしや、その辺が、男と女の違いなのか??

もやもやするものの、再び餅太郎が三島屋に草履をもってやってくることを、願ってもいる私なのである。

 

もしや後日談などありはしないか。。。先のページをぱらぱらとめくり、そこにおちかちゃんの登場をチラ見した私は早く先に進みたいと気がはやる。。。

 

とりあえず第一話、了読である。。。