makiのきまぐれ読書日記

読んだ本を忘れないように。。。

三島屋変調百物語八之続 「土鍋女房」

宮部みゆきさんの三島屋百ものが莉々シリーズ8冊目第2話である。

そういえば、第一話では、地の文(三島屋の今の文)についてほぼ記載がなかったんだな~。第2話を読み始めて思った。どっちかっていうと、私はそこを楽しみにシリーズを読んでるところもあるので。。。

おちかちゃんがおめでたになって、でも三島屋からのお祝いはまだいけてなくて、百物語の聞き手を受け継いだ富次郎がやきもきしてるのを読みながら、やっぱ、富次郎、ちがうかなぁ。。。なんて思ったりしながら、長男伊一郎の登場にそっか、富次郎はやっぱ次男のぼんぼんだわ、しょうがないか。。。って思ったり笑

ただ、おしまさんの逐電が、あまりにもナイスなアイデアで、さすがお勝さん、人生の経験値が違うわぁってにんまりしたり。。。

っていいながら、おちかちゃんのおめでたとか、伊一郎が富次郎に語った嫁の話とか、しっかり百物語につながってるんだよなぁ。。。。さすが、宮部さん!って感嘆したりするのである。。。

 

 

第二話「土鍋女房」

 

真っ黒にやけた中年増さんのとびこととンびさんが語ったのは、三笠の渡しの船頭をやってるお兄さんを手伝っていた。そのお兄さんは喜代丸、水神様の住まい粂川を渡す神聖な役職。家系は代々早死に。なんせ、危険なお仕事ですから。。。

っていうのが、実はそうじゃなかった。。。ってのは、物語の後半に判明するんだけれども。。。

喜代丸は独り身、嫁はいらない。って公言してる。

けど三笠の渡しってのは神職みたいなもので、よそものを嫌う地にやってきた築地屋さんが地元とのつながりを得たいために娘と喜代丸の縁談を持ち込んでくる。

築地屋さんはお金持ちで、結婚することによって、生活が楽になるよ~ってことで妹のとンびや弟の勝丸らはそれをすすめようとする。

が、しかし、とンびは思いっきり怖い体験をする。兄の様子がおかしい!?

存在を忘れていたけどまずは船の端っこ、そして待合室の椅子の下に突然現れた、空っぽのくせして、温かかったり中身が入ってる感じがする土鍋を喜代丸はもちかえり、それに向かって話をしている!?

実はその中に蛇の化身の水神さまがいらして、喜代丸と恋仲どころか夫婦になっていた!

水神さまは、当然築地屋の娘との縁談に怒ってるわけで、とンびにそれを知らせるわけだ。恐怖をもって。。。そしてとンびの功績もあって、無事に話は流れるんだけれども。。。

水神さまは、喜代丸をつれていってしまう。こんなところに置いとけないって!

結局、渡しの船頭が早死にするってのは、水神さまにつれていかれちゃうから。。。というオチ。。。(?って言い方も変か。。。汗)

築地屋の娘も、どうしても喜一郎と結婚したいと言ってたのは、いろんな勘違いだったわけで、そのへんの男と女のややこしいところがなんと!

三島屋長男の伊一郎の恋バナに若干共通点を持つという!!

 

前回は聞き捨てにするどころか、草履を持ってこいとかって持ち掛けるし、今回は、出産を控えたおちかに安産のお守りをもらうという!! その辺なんかやっぱり富次郎の聞き役はおちかちゃんとちがってたよりないんだよなぁ。。。っておちかちゃんびいきの私は思っちゃってあきれちゃうんだけど、まぁ、それが富次郎の良いところ!?

 

安産のお守りはトビウオの羽根。

一話にも、羽根、出てきたね!燕の神様のお礼!!なんて、ちょっとした共通点に感動する私。

 

箸休め的な第2話だったけど。。。。なんか表題作の第3話は怖いらしいよ。。。(^^;

ドキドキ。商人風のあの男の話題が富次郎から出そうになってたのは、また予告的なもの??まぁ、私なんかが考えることは、きっと、全然違うんでしょう笑