「ハグとナガラ」はただの旅物語ではなかった。
最近、ランキングの常連さん、そして、日によって違う作品が上がっているのを横目にみていた作家さん、原田マハさん。
はじめましての作家さん、何から読もうかと思いつつ、先に買ったは、2018年本屋大賞3位の「たゆたえども沈まず」で、読むのを結構楽しみにしていた。。。が昔のシリーズ消化がはじまり、とりあえず終わったものの。。。待ちわびた、2018年本屋大賞1位の文庫本が発売になり、手元に届くまでのつなぎの本。。。。ということで、程よい薄さの本作品に手を伸ばした。
「ハグとナガラ」
読メの感想を見ていると、私も友人と旅に出たくなった。。。と書いてあるし、表紙はスーツケースをもって旅支度の二人だから、当然、そういうものだと思っていたのだが。。。
いきなり主人公の「ハグ」の一人旅だった。。一緒に旅する予定だった友人「ナガラ」の母が脳梗塞で倒れ、旅に出られる状態ではなくなった。けど、心は一緒に行くから、是非に行ってきて!!と・・・。
このスタートをみて、私はこの旅が現在で、過去の二人のあんな旅やこんな旅を思い返す物語かと思っていた。二人旅を始めた(再開した?)スタートが、結婚に敗れ、転職したハグに対し、「旅に出よう!もっと人生を足掻こう」というナガラの言葉ではじまった二人旅。そんなズタボロのハグに加え、ナガラにも、親の介護・・的な重荷で結構な人生大変!のクライマックスに思えたからだ。。。
でも、あくまでこれはスタート(リスタート?)で、この後旅で母親を亡くした子に出会うわ、ハグの母は認知になるわ、そして、ナガラの母は。。。思い通りに行かない人生。。。
ハグは認知を患った母の介護のために、同居を始める。ちなみに私も母と二人暮らしだ。私、もうすぐ50歳。そう、ハグと同年代。いつ、そのような事態になっても不思議はない。果たして私にできるのだろうか。。現実が重くのしかかる。。。
でもそこで、ナガラの神の言葉。
「ナガラが子供だった頃、お母さんがやってくれたことじゃない?」
そればっかりじゃなく、困ったハグにいつも前向きな言葉をかけてくれるナガラ。
「大丈夫!イケるって!!」
私もそんな友が欲しい。。。
もちろん、そんな重い現実がのしかかるばかりの物語ではない。
伊豆、修善寺温泉
播州赤穂の「波打ち際、ぎりぎりのところに立ってる宿」
広島鞆の浦の「御宿近衛」
そして高速バスで行く伊豆
タクシーの運転手さんとの会話
青空
旅に行きたくなる。
ただ私には温泉宿への女二人旅とか、経験がない。随分前に女三人旅なら行ってたた時期がある。。。でも、パートナーを得、さらには子供を得た彼女たちとは、生活リズムがかわってしまった。。おまけに、コロナ!!
だからといって、おひとりさま旅も。。ホテル泊のひとり遠征旅ならあるけれど。。。おいしい食と温泉を堪能できるような旅はまだない。そして、夕食を食べる際には、スマホか本がお供で、端の方で背中を丸める傾向だ。。。ハグに、白い目で見られちゃう!?
ピンと背中を伸ばして、レストランの一番いい席に案内してもらえるような気ごころをもたねば!!そして、その時には、温泉で夕日をも思いっきり堪能できるような、波打ち際ぎりぎりに立つ宿へ!!
・・・そんな旅をしてみたい。
ま、私の人生、まだまだ足掻かねばならぬ。。。と思うのである。