makiのきまぐれ読書日記

読んだ本を忘れないように。。。

一見普通で、でも普通でない人たちの「すみれ荘ファミリア」

2020年、「流浪の月」で本屋大賞に選ばれた作家さん、凪良ゆうさん。単行本は置くところがないので、最新作の文庫本を!と購入したのは、6月の末。。。

やっと読み終える事が出来ました(^^)

久々に、ここの記事も新しく追加せねば・・・ということで、不思議で素敵な人たちの話を。。。

 

はじめましての作家さんです。なぎらさん。。。とお読みするのかと変換かければ出てこないので??とぐぐれば、それでちゃんと合ってました!だてに昔から本ばっかり読んでるだけじゃないので、漢字を適当に読むのは得意なんですよね~(笑)

 

凪良ゆう「すみれ荘ファミリア」

 

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すみれ荘の住人たちとそれをめぐる人たちの物語。

 

「普通そうにしてても、みんな、誰にもみせない顔がある」というのはすみれ荘の管理人の一悟くんの弟で最初は芥と名乗った央二くん。

 

「最初は芥と名乗った央二君」いや、これだけでもややこしいでしょ(笑)

芥さんは、一悟君の自転車の前に飛び出してきて、けがをして生活に支障があるから、一緒にすんで世話をしてほしいともちかける。(あたり屋か!?)

でも、一目見た顔の特徴で、一悟は芥が生き別れた弟央二だと悟るのである。でもお互い兄弟の名乗りを上げることなくすみれ荘でともに暮らしていくのである。。。

 

で、そのすみれ荘 本来、母親の持ち主なのだが、体が弱くて普通に働きに出る事が出来ないので、管理してみる?と言われ、ご飯の準備もしてくれる、管理人さんの一悟がいる。で、母親は、還暦過ぎて恋人になった三上さんと近所で暮らしている。

 

でそこの下宿人が美寿々ちゃん、隼人君、青子さん。

 

はい、この人たちが、実は一見普通で、でも大変な人たちなのである。

 

美寿々ちゃんは、PMS(月経前症候群)そして重度の生理痛で月の半分は人間らしい生活ができなくなる。。。

「PMSだから特に悲観的になってるけど、元気なときでも別に期待とかしないで生きてるの。高低差がひどいのが一番こたえるって長年の経験でわかったんだよね」

「あたしは最低な人間で、こんな自分が嫌いだけど、自己憐憫はしないから」

「だから哀れむくらいなら軽蔑してね」

なんか、ステキだな~。こんな生き方できるの、うらやましいな~。って思うのである。もちろん、PMSとかは羨ましくないけど。。。

最近、生理ってのが、秘すものじゃなくなってきてるよね。同じ女なのに、PMSってのを知らなかった。生理痛も全然ひどくないし。まぁ煩わしくはあるけどね。。小説の世界でも、こうやって、つらい人がいるんだって事、広がっていくのはいいことだと思う。。。っていうのは、余談か。。

 

次は隼人君。夢の続きでテレビマンになったものの、現実と夢のはざまで行き詰ってる。かつての友をあざわらいながらも、ある意味、人間だれしもこんな感じ。。

ただ、すみれ荘が火事でなくなったときに一悟君に言うのである。

「何をやっても駄目なときってのはある。そういうときは神経を鈍くさせて、嫌なことには目をつぶって自分を守るんだよ。見た目だけでもいいから毎日楽しいウェーイってインスタに上げんだよ。他人だけじゃなくて自分も騙すんだ」

なんか、人生悟ってる!?笑 

まぁ、ミスチルも歌ってますからね♪

『良い事があってこその笑顔じゃなくて 笑顔でいりゃ 良い事あると思えたら それが良い事の 序章です』

新しいすみれ荘に、自分のアシスタントを住まわせる配慮など、いい大人になってます(^^)v

 

最後は青子さん。一番普通で、いい人そうだと思ってたのに!?

一悟君が好きすぎて、健康に生活を築こうとしたら自分から離れちゃうって、毒持ったって!? ちびっ子たちが来た時のレモンジュース(だっけ?)を捨てたあたりから何かあるとは思ってたけど、そんなに壮絶だったとは!!!

そして母恋人の三上さん!!一悟君の母親が好きすぎて、お友達の家、そしてすみれ荘まで放火して、自分だけのものにしようだなんて!! まぁ、お母さんの一悟君への愛も、ちょっと強すぎるよね。。。 

強すぎる愛は、やっぱ、怖いんだね。。一見やさしそうに見える人たちが、そうするのが自分の為で、そして自分が幸せになる為に方法を厭わない。人は見かけによらない。

 

まぁ、何が普通で、何が普通でないかなんて、何を基準にするかで、てんで違う。

央二君が、凄まじい幼少時代をつらいと思ってなかったのは、なんというか。。。幸せなことだわ。うん。。

すてきな種が出ますように☆彡

 

 

あと、巻末収録(文庫本化?に当たり追加されたらしい!!)の央二君が!!

もちろん央二君の小説があとなんだけど(なんせまだプロットの段階)、まるでその出来上がった小説を読んでるかのような、すみれ荘に残ったお札とそれにまつわる家族のお話が。。。ちょっと人物をみただけなのに。。。央二君には会いたくないなぁ。。。心に一物があればあっという間に見透かされてしまいそうだもの(^^;

それはさておき、その中の神主さんとその奥さんのエピソードが、ちょっと、いや、かなり怖い。。。主に神に仕えるはずの神主さんが、お札を逆利用したり!それは、ホントにあかんやつ。。。

 

まぁ、本編共に、一見あかんやつな人達ばっかだけど、人が良すぎる一悟君と人を見る目が確かすぎる央二君の二人がそろえば無敵で、きっと二人も、そしてそれを取り巻く人たちも、幸せになれるだろう(^^)

 

あ~。なんて、まとまりのない記事。まぁ、いっか(笑)