宮部みゆきさんの三島屋変調百物語伍之続(第5巻)「あやかし草紙」より
第一話「開けずの間」
どんぶり屋という飯屋を営む平吉が実家の金物屋「三好屋」で両親、そして6人の兄弟を「行き逢い神」に取り殺されたという物語。
昔、わりと普通にあったという「座敷牢」。もちろん、三好屋では、牢にしようと開けたものの、それを使う必要がなくなり、ただの納戸だったわけだけど、そこにはいわくがつきものなのね。。。魔が、魔を呼ぶといいますか。。。
平吉は、黒白の間の聞き手、おちかと、小旦那富次郎に聞くのである。
お二人には、何か願い事はおありで?
もしおありなら、考えてみてくだせえよ。うちのなかに開けずの間があって、近寄っちゃいけねぇって言われてる。どもそこには、何かを引き換えに差し出せば、必ずその願いをかなえてくれる神様がいるんです。そしたらーーーーーー
我慢できますかい?
・・・我慢なんて、できないよねぇ。。。引き換えが、そりゃぁ、人の命だってズバリ言われれば躊躇するかもしれないけれど、最初はそれがわからないわけだし、思いつめ出したら、願いをかなえてくれる上に、さらに煩わしい人を殺してくれる(という言い方は語弊があるが)というのであれば、一石二鳥 Win WInじゃん♪って思うかもしれない。。。
人とは、自分の都合の良いように、考えるものである。。。
物語の最後はこうつづられている。
人が心に抱く、切ない願い。
人は弱いから、欲をかくから、いろんなことを願う。その弱さにつけ込む行き逢い神は、食らうものに困らない。
くわばら、くわばら。
こうなればいい。。。こうなってほしい・・・。そうなればうれしい。。。
願っているうちが華で、決して、何かに頼ってまで手に入れてはならない。という事。
かなうのも運命、かなわないのもそれまた運命。人生流されていくのも悪くない。。物事はやっぱり、「ほどほど」がいい。。。
ん??ちょっと、ずれちゃいましたか(^^;
この変わり百物語シリーズで何度も出てくる怪しい家、部屋。。。自分ちとか、部屋とかいうのは、社会生活を行う上で我慢なければならないっていう「たが」や「常識」が外れてしまえる、危険な場所なのかもしれないなぁ。。。念がたまる??みたいな。。
最初は地味な小袖を着ていた行き逢い神は、三好屋の真っ黒な欲を血肉として豪奢な振袖をまとっていた。。。。そして、語り手平吉とやってきて、お勝さんの髪をひと房真っ白に染め抜いた。。。
ホント、食らうものに困らない。。。きっと今だ日々成長してるのね。。。
私の願いを、そんなおそろしいものに喰われないようにしなくっちゃね(^_-)-☆