makiのきまぐれ読書日記

読んだ本を忘れないように。。。

事始「おそろし」より最終話「家鳴り」

三島屋変調百物語事始 おそろしより 最終話「家鳴り」

 

最後の章でこの巻に出て来た4つの話を完結、アレコレの疑問を回収してしまった

宮部さんはさすがでした。。。

 

始まりは、兄喜一がおちかを三島屋にたずねてくる。

訪れを予告された時には、ぐずっていたおちかだけれど、結局顔を見ると

わだかまりなんて吹っ飛んで。。。

強くなれたのは、変わり物語の聞き手を始めたから。。。

それに、顔面蒼白になった喜一のところには、じつは松太郎が夢枕に立っていた。

行き先が決まったからと、ある日突然現れなくなったのは、おちかの元へ行ったから

に違いないと、大慌てでお近の元へやってきたのである。連れ戻すために!?

何処へ行った!?といぶかしんでるときに、清太郎が訪ねてくる。

おたかが変なことを口走る。松太郎という人をご存知ですか?

 

結局、二話の「凶宅」に松太郎が呼ばれたことが判明するのである。

 

・・・そこへたどり着く前に。被害者(?)の家族たちのいい人であること!!

まずは、浪之屋の人々。息子を殺されたというのに、嫁になるはずだったと

おちかを思い、丸千を救う。

そしておたかを引き取った越後屋夫婦。まぁ、姪っ子だから。。。でもかつて

おたかの父のせいで清太郎は死にそうになるわ、おたかは座敷牢を必要とする

厄介者。。。そのおたかを訪ねるおちかに、優しいなんて。。。

 

ひねくれた物言いをすると、おちかは、いい人に恵まれて、ホント幸せだねぇ。。

前話でおちかが松太郎に憎まれてる系の怨念を自らに乗っけてるので、私が若干

ひねくれた気持ちを、おちかに持ってしまった!?(^^;

だからついでに、おちかを貶めてみる。、おちかって、実は恋多き乙女?

だって、身近に育った松太郎、そして婚約者になった良助に始まり、

おたかの兄(?)清太郎にも。。。兄喜一に言われそんなんじゃないといいながらも、

一目置かれるものと決め込んでそうじゃなかったら、揺れてた。。。

まぁこれは恋じゃないんだろうけどね。。。そういう見方もできるのよ。。。

 

だから、ついにでてきた商人が、「ずっと冷たいお人だった。あてがはずれた」って

「おちかをののしった(?)時に、ちょっとすっきり!?

喜一に言われるまで、すっかり忘れてた良助しかり。

叔母のお民が、「魔鏡」の章で述べた、忠心の宗助や、嫁のお吉しかり。

藤吉のお兄さんのことも。。(最後の最後に、宮部さんはきっちり彼の事も回収した!)

さすがに「人でなしの味方ばかりしてる」っていう攻め方は、ちょっとひどいけど。。

 

話を戻すと。。。

「凶宅」からおたかを連れ戻し、そして呪いを解くために向かうおちか。

おたかで飽き足らず、迷える松太郎を、凶宅の命の源にしようとしている。。。

曼珠沙華の」藤吉の忠助により、迷えるなき人たちをも救う。

「凶宅」の清六一家。「魔鏡」のお彩と市太郎。宗助と吉。そして、藤吉の兄。

この本の集大成、最後にみんな救われて、めでたしめでたし。

 

あれ?そういえば、良助さんはでてこなかったのね。。ある意味かわいそうな人。。

とさらにまたちょっと、ひねくれてみる私(笑)

 

松太郎の呪いからも解き放たれて。

(第三話の時に、松太郎の話を聞きたい!そうだ富次郎に!って提案したけど、

この話で、もろもろきっちり解決してるし💦)

 

 

読み終えて、すべて幸せになりましたとさ。。。で終わることもできたのに。。。

物語が続くのが、やっぱり人の人生は、お伽話のめでたしめでたしで終わらない。

実はその後が大変なのよ。。。という大人の世界。(お伽話は子供の世界)

 

のちにも現われる「商人」とともに、おちかの人生を見続けたい(先を知ってるのに)

そんな私なのでありましたとさ(^^)