私が読みたい!って思った辻村深月さんの「名前探しの放課後」まであと2冊!ていうところで、一旦小休止を入れて読んだ、「ぼくのメジャースプーン」
あれ?順番、絶対間違わないでね!って言われたけれど、今までの関係者、出てきた?・・・それとも、これを読まないと次読んじゃいけないんだっけ??
あとがきを読んで、呆然としました( ゚Д゚) 前作「子供たちは夜と遊ぶ」の秋先生。そして動物園のお兄さんお姉さんは、月子と狐塚(?)ですって!?(;・∀・)
順番を守ったにもかかわらず、わけがわかっていない私という人間は、ちょいつらい。。。
声の力を持つ少年ぼく。お友達のふみちゃんが大事にしてた学校のうさぎを殺されて、心がこわれちゃった。犯人市川に直接会って、声の力を使って、反省させたい!
その声の力をうまく使うために、1週間、先生のもとで訓練する。。。
その先生のスタンスに何度もびっくりさせられた。
「僕が力を貸すことはない」って言いきる突き放した感。
「市川雄太に声の力で何かの罰を与えても、ふみちゃんは元に戻らないし、うさぎの命が戻ってくるわけじゃない」正しくても弱った少年人に大人が面と向かって言えないであろうことあえていうまっすぐさ。
「いじめですよ。相手を苦しめるためだから当然でしょう。それとも、他に何かいい方法が思いつきますか」やろうとしてることは他の人から見れば、そうなるんですよ!と悪を悪だと言い放つ。
秋山先生は、前作で知ってるというけれど、実際私が覚えてないので、なんて人なんだろうって思う。冷たいというか、冷めてるというか。。。
そして、自分なら市川に対してこうするという結論が。。。
「彼には、報いを受けてもらいます。これは、因果応報なんですよ。誰かに対してひどい行いをしたもの、誰かを馬鹿にして笑ったもの、傷つけた者。そういう人間は、いつか必ず自分の人生にそれが返ってくる。」
うん、彼は声と共に良くも悪くもこうやって生きてきたのだろう。それを同じ力を持つものに覚悟をさせるというのはとても正しい教えなんだけど。。。相手は小4のちびっこですよ!?(^^;
でも実際、ぼくが市川に対して声を使ったとき、その後の対応は、とても愛情深く優しい感じで、ホッとした。じ~んとした。「声の力」に向き合ってきた人生は、悪いものじゃないっていう、ぼくが将来、きちんと楽しく生きていってもらいたいっていうのを証明してくれてるみたいだから。。。
にしても、問題提起がすっかり大人の私にだって答えづらい質問の数々
「うさぎの命を人間と同じように数えるなら、大量虐殺だから無期懲役ですか。それともうさぎ何匹分を一人、というように単位の決まりを作って考えるのがいいですか。実際には、うさぎは何匹殺されようと人間一人分の命には及ばない。そこを考え直しますか」
「まず、ペットとして買っているうさぎを虐待して殺すという事。次に、山の中をドライブしていて、とびだしてきたうさぎをうっかりひき殺してしまうという事、最後に、食用としてウサギを殺すということ」
「復讐なんていうものは、結局は心を満たしてはくれない。それでも考えられるだけ一番ひどい復讐をしようと思ったときには、結局は長い時間かけて相手にできるだけ苦痛を与え、最後は殺すというやり方が一番いい。突きつめると、そんな方法しかないんだと思った。」
う~ん。である。とにかく、正論であり、建前であり、何を主張して声を上げるかというのは、とても難しい事なのである。。。
「ライオンが先か卵が先か」という命題に、そもそも前提が間違っているから無意味。の答えに、もうひたすらう~ん。むむむ。なのである。。。「前提」そこが大事。
レストランでの喫煙の話なんて・・・。自分が喫煙者だとしての言い分。喫煙者の友達としての言い分、煙が苦手な人としての言い分。どれだって、正々堂々と主張できる言い分なわけで、自分の立場によって、正しい事は全く変わる。。。そういうこと。
ま、結果、ぼくの声は、秋先生はもちろん、私にだって想像できなかった強いもので、なるほど彼の思いに圧倒&脱帽!!!きっと繊細だけど、とても強い男の子。彼みたいな大人が増えれば、人は優しく生きられて、優しい世の中になるんだろうな・・・
だからこそ、ふみちゃんも。。。
この子たちの未来の物語が、またどこかで読めるのかしらね???
さてさて、とりあえず、次の作品、待望の名前探しの放課後に進みますが、子供たちは夜と遊ぶ、再読する時への宿題です。さてさて、これを言ったのはだれですか??
「犯人と友達にならなければならない」
「何もしないで、忘れるように努力する」
「犯人を、ウサギと同じ目に遭わせる」