makiのきまぐれ読書日記

読んだ本を忘れないように。。。

福原医師と桐子医師、過去にまさかの!?「最後の医者は雨上がりの空に君を想う」

アマプラ、プライムリーディングでずいぶん前にダウンロードしてた本作上巻。

無料で読めるのが上巻だけで、さらにその前作の「桜を見上げて~」でいろんな患者さんとの向き合う医師の物語である。。。的なことを知ってたので、まぁ上巻だけでいいだろうって読み始めたら。。。上下巻マタギの第2章という。。。

そして第3章に進むと、それは第2章、違う目からのお話であった。

 

第1章「とあるチャラ男の死」

第2章「とある母親の死」

第3章「とある医者の死」

 

ブラックフライデーセールのKindle3か月99円、これだけでも価値はあった。。。

 

 

物語は前作で共通の友、音山の治療に関して病院長の意見を聞かず、桐子は病院を退職して開院し、福原は、生殺し。。。になってるところから物語は始まる。

 

チャラ男さんのお話は、単純に、AIDSって直る病気になったんっだ~。って感想。

もちろん、桐子が、病院にやってきたチャラ男君が、診断を拒否(?)したその意思を尊重して、病気と向き合うことさえも勧めたかったことに、違和感を感じた。目の前の命を全力で助けるっていう、若干はた迷惑な福原の意見に、今回は大きく同意したものだ。。。。まぁ、その人の命の重さってのが、どのくらい自分とかかわってるかによって、大きく意見も変わる。。。。という典型的な事例であろう。。。

 

で、なにやら、病気持ちでありそうな桐子君。

第2章は、そんな彼がまだ小さな子供だった頃患者としていた病院での隣のベッドの患者さんとのお話であった。

自分が生まれたのは間違いであったと悲観する桐子少年。その隣のベッドに入ってきたのは、もはや、助かる見込みはなさそうなのに、ひたすら前向きな絵梨さん。彼女の願いや思いが実現するなら、自分もまだまだ生きられる。。。

かけをする二人。

絵梨さんの息子さんのカズくんの物語の一面でもあった。母の回復を信じるカズ君、あきらめる父親。。。。父親なんて、だいっきらい!!

絵梨さんは、退院し、息子君との遊園地行きを決行する。結局やはり助かることはなかった。。。

 

そして3章。福原さんのお話であるようであり。。。また違うような話でもある。。。

あぁ、福原父のお話なのね。。。って読んでいたら、お見合い相手の名前が絵梨さん??

ってことは??人物案内のページまで戻ると、福原の名前は福原雅和。うわ!!彼がかずくんじゃん!!

桐子少年とかずくんは出会ったことがあったっけ?って思いつつも、たぶんニアミス!?そもそも桐子少年は当時、そんなことにかまってられる状態じゃなかったよね。。。

福原から押し付けられた、認知症の福原父の主治医という立場。現在の桐子医師との会話のはずが、福原父の記憶は、過去をさまよう。。。

 

かず少年、そして現在の福原とは全く違う福原父の姿に、がんばれ~~って声援を送り悪なる。かず少年が苦しんでいた以上に、父欣一郎にはつらい日々だった。

 

かず少年が書いた絵を破り捨てた父との当時の会話を思い出す、福原。。。

私も一緒にその場面へ戻る。。。

涙が止まらない(T_T)

 

絵梨は欣一郎に、家族を取り戻すという。。。

桐子の描いたノート(欣一郎の記憶の断片)を読み、欣一郎だけでなく、福原(かずくん)も家族を取り戻すことができた。。。

亡くなってまでも、そんな力を発揮するなんて、絵梨さんすごいなぁ。

当時は桐子少年にも生きることへの気力を芽生えさせたもんなぁ。。。

 

てっきり、桐子医師は、絵梨さんの正体(?)に気付いてるものと思ってたけれど、父が亡くなった後の会話で、「知った」感じだったね。

でも、すごい「縁」だよね。。。

 

桐子医師はこれから、絵梨さんとのことを福原医師に話すのだろうか?

ってか、福原医師は、桐子医師がいまだ手放せない常備薬をもってることを知ってるんだろうか??

 

物々交換で医療費の代わりとする桐子医院のこの先や、そこの看護時神宮寺と福原医師の(元)関係は復活するのか??(ある意味父欣一郎と絵梨さんの関係とよくにてるんじゃね??)

 

津名遊園地のエピソード、かず君版ラストが悲しい終わり方だったけど、なんと欣一郎盤も楽しめるとは!!(笑)ほんと、なんか、よく似てる親子だね(^^)

 

次作、ないのかなぁ。。。。

 

 

余談であるが、やはりKindleは便利である。PCでも見られるから、感想とか忘備とか書くのにもすごく手軽に見直しできる点とか。。。

でも、3か月の延長は。。。。するまい!!(ちなみにそうやって契約したspotifyは現在もなお、継続中。。。。汗)

 

弓之助よ、見事であった。。。「日暮らし下」

宮部みゆきさんの再読は、家でベッドに寝転んで・・・ってのが主で、でも最近やたらと眠くて、前へ進まないうちに、ハードカバーの本を手に持ちながら寝落ちする。。。って感じで、ずいぶんと時間がかかってしまったけれど。。。

後半は、一気でした。

 

日暮らし下巻

 

 

事件が解決して、平四郎が釣り台に乗って、青空を見上げながら思うのである。

一日、一日、積み上げるように。

てめえで進んでいかないと。おまんまをいただいてさ。

みんなそうやって日暮らしだ。

積み上げてゆくだけなんだから、それはとても易しいことのはずなのに、ときどき、間違いが起こるのは何故だろう。

自分で積んだものを、自分で崩したくなるのは何故だろう。

崩したものを、元通りにしたくて悪あがきするのは何故だろう。

ほんと、何故だろうね。。。でもそれが生きていくって事なんだろう。

 

本来なら、湊屋のおかみとして場を取り切っていくのが良く似合ってただろうに、「はずみ」で殺されてしまった葵。

そして、晴香先生。 芋洗坂の事件は、なんか、やりきれなくて、悲しかった。

 

生人形のような顔を突っ張らせて走る弓之助。怖い思いをするとおねしょする子どもなのに、晴香先生と対峙してるときの彼はすごかったよ。自分がもっと早く動いてたら。。もう決して間違ってはならぬ。。。その気迫がすごかった。

そしてその横でおはつをあやすおでこ。いいコンビだよね~。

で、このいいコンビは、ラストの章で、おとよ姉さんのお祝いをする。この発想は子供らしくって、キュートなんだけど。。。。

そこで明かされた幻術一座の女役者の正体( *´艸`) 平四郎が狂った奇術師貞洲!

物語の最後の1行が、平四郎の細君の言葉って言うのがこれまた良い。仲良き夫婦。これまでのごたごたを綺麗に洗い流してくれる感である(^^)

 

一件落着なんだけど、ちょっと戻るよ。色んな人の苦労があったからね。

料理人彦一。おみねを救う!とかって言い出した時には、ほんとどうしたものかと思ったよ。。。男ってやつは(^^; まぁ、平四郎のお六を紹介するって計らいがうまくいきそうでなにより!?

そして、湊屋の長男宗一郎。いや、なんとも哀れなお人よね。。。宗右衛門のムチャ(?)に振り回されて、母のおふじにも。。。優しさゆえに、どっちもほおっておけないところが、気の毒になるくらい。。。彼には幸せになってほしい。彼が弟宗次郎と協力しながら、湊屋をもっとおっきくして行けたらいいのになぁ。。。

 

とりあえず、湊屋おふじと葵をめぐるあれこれが一件落着着いたことに安堵。

生きて母葵に会えることがかなわなかった佐吉だけれど、いい奥さんいるから大丈夫だね。九兵衛も、なんだかんだと忙しい身でそれもOK

お徳のおかずやもうまくいきそうだし。。。

 

平四郎の体たらくな毎日が続くことが、よき。

 

あ、晴香先生が葵ごろしからおはつちゃん誘拐に至るくだりで、聞き覚えのある言葉が記されてたね。

「あとは、よって件の如しー」

宮部さん、それをのちに表題にした本を書こうって、もうこの時に考えてました??

平四郎シリーズから、きたきたシリーズにつながり、そしてライフワークの三島屋シリーズ!あれ、そういえば宮部さん、杉村さんは、どうしてますか?

とりあえず、おまえさん、読み進めますね~。

螺旋プロジェクトですって!?「シーソーモンスター」(と「スピンモンスター」)

伊坂幸太郎さんの新作「シーソーモンスター」が文庫されたので早速読んだ。

(読み始めた~っていうくだりは、本ブログのほうで言及したからここは割愛)

結局、昭和後期の「シーソーモンスター」に続き、近未来の「スピンモンスター」。

いやぁ、呼びかけ者だからって2つ担当するのはいいけど、それなら別の本にしてよ~って感じ(^^; 8人の作家さんが参加されている。。。って言っても私が読む文庫本になってるのはまだ1冊(今月末にさらに1冊かな)だから、もし、そっちにとんだ時、あぁ!!ってわかるように、自分なりにまとめておこうと思った。

そう、特報!とかって第2弾もスタートしたってあるしね(^^;

 

 

シーソーモンスター

時代 昭和後期

海族(目が蒼い=北山宮子(諜報活動員・スパイ的(?)な)

山族(耳が大きい=北山セツ(義母・宮古とは実は同業)

審判=石黒市夫(生命保険会社の営業マン)

 

製薬会社に勤める北山直人は、「嫁(宮子)姑(セツ)問題」に頭を悩ませていた。

同僚綿貫さんから担当を引き継いだO病院の若院長の保険料不正請求。それを告発しようとして行方不明に。。。(綿貫により、自殺させられそうになっている)

一方宮子も、いろいろと危険な目に合う。かつて義父がなくなったこととあわせもって、セツを疑い、結婚を機に退職した元職場の力を使って、謎を暴こうとする。

そんな時ににいなくなった夫の救出に向かうが、そこにはさらに義母のセツまでも!なんと彼女も昔、彼女の同業であったというオチ。。

直人と結婚する前、宮子は同居なんて大したことないと思ってた。けど、実際顔を合わすとどうしても反発しあう。それを突然現れた保険の営業マン石黒審判員が、海と山との運命を説き、しょうがないことだと教える

直人の救出をもってそれも終わるかとおもいきや。。。。

別居して、宮古が文章、セツが絵を担当してカタツムリのヒーローの絵本「アイムマイマイ」の作成を始める。ところで物語は終わる。

時代はバブル真っただ中。ディスコで踊り狂いお金を使いまくる人々。そんな時、日本経済はいつか悪くなるのかなという直人の疑問に、宮子は答えている「そんなに遠くないんじゃない?かなり落ち込んで、後の数十年はあの頃に戻らないかな、って思い続けるのかも。」

深い。深すぎる!!っていっても、まぁ、伊坂先生は、今の時代を生きてるからそうなることを知ってたわけで、事実起こった現実を宮子にしゃべらせているだけだけど。。

 

時系列が思いっきり行ったり来たりしたけどこんな感じね。

本サイトのほうで私、キレイに感想まとめてるじゃん!再び。。。

 

まぁでも、どうしても仲良くできない、嫁(妻)の宮子と姑(母)セツとの間に挟まれるもう一人(?)の主人公(?)直人の職場での立ち位置、宮子の前のお仕事系、謎の石黒市夫、そして懐かしきかなバブリーな時代からみすえる(実際今私がいる)現代への予言。

ぐいぐいと引き込まれはした。嫁姑摩擦問題の解決(?)も、ある意味「めでたしめでたし」でないところが伊坂さんらしいやなんて思ったりした。

 

 

スピンモンスター

時代 近未来

海族=水戸直正(手紙配達人) 右目にカメラが埋め込まれている

山族=檜山景虎(警察官)

審判=日向恭子(直正の恋人)

 

新幹線で寺島テラオから中尊寺敦への手紙の配達を頼まれた水戸直人。仙台の公演で無事に配達を終えるのだが、それにまつわる謎解き(?)に付き合わされることとなる。

時代は近未来。何をするにも監視カメラやら、その他もろもろデータでもって、人類は監視されている。その網をかいくぐりながら、寺島の作った人工知能ウェレカセリを破壊することを託された中尊寺(と直正)。彼の残した文字を頼りに、川のそばにある水戸の大好きな絵本作家の「せつみやこ」さんにたどり着き、海族山族の話を教えられる。彼、水戸にも、水と油のような男、檜山がいたからである。ちなみに現在水戸は、警察官である檜山に追われていている。

せつみやこさんは、前作の北山宮子さん。彼女が90歳越えになっているところが、近未来である!!

檜山の記憶と、水戸の記憶が、なにやらおかしなことになった私たち読者のまえにぶっこまれたのは、水戸の目には、人工知能学習用のカメラが埋め込まれていたということである!!それによって、水戸の記憶は、改変されていた!!!

水戸を追う警察官檜山は、水戸の恋人日向恭子に証言を得るために会いに行くのだが、彼はここで海族山族の話を聞くことになる。間に立つ審判が、この立ち位置とは!!

 

変化があって、初めて人は進化する。byみやこさん

ぶつかり合わなければ何も起きない、何も進化しない。争いはなくならない。争い続けること自体が、目的なんだから by檜山

 

言いえてるんだけど、怖いよなぁ。。。

あと、実際に起こってないことでもニュースとしてネット(?)に上がることで真実になっていくっていうあたり。。。まだそこまでには達してないけど、近い将来そうなっても全然おかしくない未来。想像で(作者言)描いてあるにしても、現実的で。。。

うん、人工知能に頼る世界になんてならないで!!ウェレカセリ、つぶす以前に、寺島さん、作らないで~って感じである(^^;

あと、重要なんだよね?東京都を分断する「壁」の建設が始まってる。。

 

ɤのメンバーだれかが死んだら。。。なんて、面白い(興味深いの意味)発想は、実話をもとにしたエピソードだとか。

 

結局、檜山に撃たれて植物状態になってしまう水戸。その瞳にお見舞いに現れた姿を映しておけばログが残るという中尊寺。ラストも、なんだか、先を知りたいような、知りたくないような。。。

 

パイモンスターにシーソーモンスターの後日談(?)が出てきたように、さらなるあと時代の作家さんのお話に、出てきたりするのかなぁ。。。

 

って、未来の「天使も怪物も眠る夜」を今ググったら、文庫化決定してる!!読まなくちゃ汗