makiのきまぐれ読書日記

読んだ本を忘れないように。。。

弓之助よ、見事であった。。。「日暮らし下」

宮部みゆきさんの再読は、家でベッドに寝転んで・・・ってのが主で、でも最近やたらと眠くて、前へ進まないうちに、ハードカバーの本を手に持ちながら寝落ちする。。。って感じで、ずいぶんと時間がかかってしまったけれど。。。

後半は、一気でした。

 

日暮らし下巻

 

 

事件が解決して、平四郎が釣り台に乗って、青空を見上げながら思うのである。

一日、一日、積み上げるように。

てめえで進んでいかないと。おまんまをいただいてさ。

みんなそうやって日暮らしだ。

積み上げてゆくだけなんだから、それはとても易しいことのはずなのに、ときどき、間違いが起こるのは何故だろう。

自分で積んだものを、自分で崩したくなるのは何故だろう。

崩したものを、元通りにしたくて悪あがきするのは何故だろう。

ほんと、何故だろうね。。。でもそれが生きていくって事なんだろう。

 

本来なら、湊屋のおかみとして場を取り切っていくのが良く似合ってただろうに、「はずみ」で殺されてしまった葵。

そして、晴香先生。 芋洗坂の事件は、なんか、やりきれなくて、悲しかった。

 

生人形のような顔を突っ張らせて走る弓之助。怖い思いをするとおねしょする子どもなのに、晴香先生と対峙してるときの彼はすごかったよ。自分がもっと早く動いてたら。。もう決して間違ってはならぬ。。。その気迫がすごかった。

そしてその横でおはつをあやすおでこ。いいコンビだよね~。

で、このいいコンビは、ラストの章で、おとよ姉さんのお祝いをする。この発想は子供らしくって、キュートなんだけど。。。。

そこで明かされた幻術一座の女役者の正体( *´艸`) 平四郎が狂った奇術師貞洲!

物語の最後の1行が、平四郎の細君の言葉って言うのがこれまた良い。仲良き夫婦。これまでのごたごたを綺麗に洗い流してくれる感である(^^)

 

一件落着なんだけど、ちょっと戻るよ。色んな人の苦労があったからね。

料理人彦一。おみねを救う!とかって言い出した時には、ほんとどうしたものかと思ったよ。。。男ってやつは(^^; まぁ、平四郎のお六を紹介するって計らいがうまくいきそうでなにより!?

そして、湊屋の長男宗一郎。いや、なんとも哀れなお人よね。。。宗右衛門のムチャ(?)に振り回されて、母のおふじにも。。。優しさゆえに、どっちもほおっておけないところが、気の毒になるくらい。。。彼には幸せになってほしい。彼が弟宗次郎と協力しながら、湊屋をもっとおっきくして行けたらいいのになぁ。。。

 

とりあえず、湊屋おふじと葵をめぐるあれこれが一件落着着いたことに安堵。

生きて母葵に会えることがかなわなかった佐吉だけれど、いい奥さんいるから大丈夫だね。九兵衛も、なんだかんだと忙しい身でそれもOK

お徳のおかずやもうまくいきそうだし。。。

 

平四郎の体たらくな毎日が続くことが、よき。

 

あ、晴香先生が葵ごろしからおはつちゃん誘拐に至るくだりで、聞き覚えのある言葉が記されてたね。

「あとは、よって件の如しー」

宮部さん、それをのちに表題にした本を書こうって、もうこの時に考えてました??

平四郎シリーズから、きたきたシリーズにつながり、そしてライフワークの三島屋シリーズ!あれ、そういえば宮部さん、杉村さんは、どうしてますか?

とりあえず、おまえさん、読み進めますね~。