makiのきまぐれ読書日記

読んだ本を忘れないように。。。

中山七里との出会いからの「カエル男」と「贖罪の奏鳴曲」

2021年新しい作家と出会った。彼との出会いは推しの俳優さんの映画の原作。

その俳優は綾野剛さん。「ドクター・デスの遺産」という作品である。

原作者の名前は、中山七里。

本を買う際にはとりあえずググる私。もしもシリーズものだったとしたら私はとにかく最初から読みたい人であるからだ。ドクター・デス~は「犬養隼人」という刑事のシリーズものらしく、そのシリーズ個々の表題だけで、けっこうグロイ物語なんだろうなと想像する。。。先に言えば、一番最初に買ったこのシリーズにはまだ手をつけたない(^^;

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中山七里さん。ほとんど聞いたことない作家さんだったんだけど、著作数は多く、シリーズものも多い模様。。。あまりグロイ作品からだとそれだけが嫌になって他にまで手が出なくなる可能性も多いなぁ・・・などと思いさらにググると音楽物の「岬洋介」シリーズというのがあった。人気のシリーズのようだ。なら、ここから入ろう♪

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楽しくて一気に読んだ。さよならドビュッシー。おやすみラフマニノフ。いつまでもショパン。どこかでベートーヴェンでは岬先生の学生時代にもどり、もういちどベートーヴェンでは、司法修習生時代の岬先生がいた。で、当然、岬洋介の帰還と題された「合唱」に進む予定だったのだが。。。

どこで目にしたのか定かではないが、この本は岬洋介だけでなく、「オールスター」が集結するらしい。。。オールスター。たくさんのシリーズの方々って事よね。。。岬シリーズの解説などを読めば、あの作品のあの人が~と、すでにその片鱗は語られていた。前述のとおり、できれば、とにかく順番に読みたいタイプである。。。内容が極力目に入らないようにと、パラパラと「合唱」をめくってみると、後ろの方に中山作品・人物相関図なる特集(?)が組まれていた。。。。多すぎる( ;∀;)

とりあえず、御子柴シリーズなるものと、ヒポクラテスシリーズにチェックを入れる者の、中山七里とググれば必ずでてくる「連続殺人鬼カエル男」3作目の作品にしてごく最近「ふたたび」とつく作品が発表されている。。。

そして「カエル男」を読むことになったのである。

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すばらしくエグかった( ;∀;) ここから中山作品に入っていたとしたら、後はなかったかもしれない。事件そのものもえぐかったけど、時系列に即してるのかそうでないのか、ちょっと不思議に挿入される「ナツオ」って言う少女(私は最後の方まで男の子だと思っていた)の話が、なんとも言えないのである。。。結末はさておき、登場人物である。

事件が起きた埼玉県警の古手川和也、先輩相棒の渡瀬はテレビで見た犯罪心理学の権威御前崎教授を訪ねる。一方容疑者として挙がってきた精神疾患のある前歴者当間勝男」とその保護士有働さゆりと接触を持つ。古手川は彼は犯人ではありえないと捜査をすすめていくのだが・・・

あぁ!!って思ったその後、さらにひっくり返される事件の真相に、たまげたどころの話ではなかった(T_T)

 

そして、御子柴礼二という弁護士の話に進むのである。「贖罪の奏鳴曲」である。

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シリーズ化されてる弁護士の話。それだけで読み始めたので、いきなりの御子柴の犯行(?)にとにかく度肝を抜かれる。え??御子柴さんって悪者なん??でも弁護士御子柴でシリーズ化されてるのよね? ????じゃん。。。って読み進んでたら埼玉県警の古手川と渡瀬が出てきた。

古手川刑事といえば、シリーズ化されているわけでないけど、中山作品にはとにかくよく登場すると噂の人物。そっか。。。もう、出てくるんだね。。って読み進めてると御子柴の過去が明らかになる。。。

少年院時代、同じく女子寮(?)にいる少女のピアノの音色に心奪われる。。。。

え?ちょっと待って!こんな場面、つい最近見たやん!?

そう、カエル男で古手川刑事がピアノに癒されたのとおんなじ。。。

少女の名前は「さゆり」、医官御前崎氏が矯正プログラムとしてとりいれている。。。

間違いないじゃん。

カエル事件に振り回された古手川刑事が、同じピアノから影響を受けた弁護士御子柴と対立(?)するなんて、なんてこったい!!

私には、それだけで、もう充分おなかいっぱいだったんだけど、この作品でもなんか犯人のどんでん返しがあったねぇ。。。

 

そして犬養シリーズに進む予定ですが、その前にちょっと一息。。。ということで静おばあちゃんを挟みます。このひと、岬シリーズでちょくちょく出てきてた(?)からね。。。たしか、優しそうな人だったじゃん??

 

読メの感想とか見てるとカエルと奏鳴曲のこの関係に衝撃を受け他の人が少なげで、とりあえず、記録に残しておこうと思った次第。

別シリーズのあんな人や、こんな人が!!「ばんば憑き」

宮部みゆきさんの昔の本を読み返そうシリーズ(勝手に命名した2021年秋)、第3弾は「ばんば憑き」

いや~。この本は平成23年2月の初版本だから、2011年に読んでるらしい。。。

坊主の壺

お文の影

博打眼

討債鬼

ばんば憑き

野槌の墓

時代ものの、不思議話6篇からなる物語です。

 

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「坊主の壺」を読みながら、あ~、これ、ランチにモスバーガー食べながら読んだやつ。。。なんてうっすらと思い出し。。。

「お文の影」あれ?これって、私の本棚に文庫ない??うわ~!!せっかく買ったのにばんば憑きの改題文庫化だって(;・∀・)なんて感想書いてるわ・・・なんて思てたら!!

ん??政五郎親分。。。聞いたことあるけど。。。内容思い出せんぞ・・・って思ってたら。。。おでこちゃん!!!この子は知ってるよ。ものすごい数のお話を頭の中に記録してて・・・でも最初から順番にしか話せないから、途中で話を斬っちゃダメな子笑

そう、「ぼんくら」シリーズで弓の介くんと大活躍するおでこちゃんだ(^^)

 

そうだったのね~なんて読み進めた

「賭博眼」では、狛犬さんのもふもふに私ももたれかかって守ってもらいたい❤なんて見当違いな感想を持ちつつ。。。

 

「討債鬼」で青野利一郎さんって!!!三島屋百物語、おちかちゃんと良い仲になるかと思った深考塾の若先生! 暗獣くろすけと親交をもった新左衛門と初音様。それに・・・偽坊主の行然坊まで!!・・・でもちょっと待って、行然坊、まだ悪者なん?登場の仕方は、三島屋さんの店前に立ったのとおんなじ姿だけど!?ってドキドキしたら、わんぱくな塾生、金太、捨松、良介の3人と仲良くなってるよ♪

うっわ~。「あんじゅう」の前日談ってわけですか。。。

青野先生の那須請林藩での過去が、こんなところで語られてるなんてね~。青野先生も伴侶と思った人と、つらい目にあったのね。。。おちかちゃんと、心が通じるわけですわ。。。その後、「三鬼」でお国元に戻ることになっちゃうんだけれども、その事情も、ここで語られてただなんて。。。さすが私、まったく覚えてなかった(T_T)おちかちゃんシリーズ大好きなくせしてねぇ。。読み返してみて、よかったよ(^^)

 

シリーズ、再読が進んで、ぼんくら、そしてあんじゅう、三鬼に届く頃にはまたすっかり忘れてるだろうから。。。

今、こうして興奮したところで、一旦記録。。。。あの話は、どこに返れば読み返せるのか。きちんと書いておこうと思ったのです。(ちなみに余談ですが、青野先生が国元に帰るのが、三島屋シリーズのどの巻であったのか??ちゃんと記録に残ってたから見つけられたんです!!)

 

さてさて、これから表題作です。どんな話か全く覚えてないので、とても楽しみです笑

 

 

・・・なんて帯をみてたら、おでこや、青野先生の事が書いてあった!?

あわてて、本を出して来たら、ぼんくらは2000年あんじゅうは2010年だった。本作より前に読んでる!?(^^; さすが私。。。宮部さんの本は、発売順じゃなくて、シリーズ別に並んでるから、こんな勘違いも発生するわけで。。。とりあえず、読み返しシリーズはこの後、シリーズ以外で進みます!?

最大の悪霊とされた人こそ実は。。。「孤宿の人」

宮部みゆきさんの昔の本を読み返そうシリーズ(勝手に命名した2021年秋)、第2弾は「弧宿の人」2005年の作品である。

この本は、最初読んだ時に、とてもいい本だと思ったという記憶、悪者とされる加賀さまがホントはいい人だ・・・って事だけ覚えた。

15年ぶりくらいに改めて読んで、やっぱりいい作品だと思ったのである。

 

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物語は、讃岐の国丸三藩に、江戸で妻、子、部下を切り殺した大悪党の元役人の加賀さまが、流刑で流されてきて、それを恐れるあまり住人たちが例年怒っていたことはすべて加賀さまの祟りだと恐れ、おののき、おかしくなってしまうという。。。

主人公は引手見習の宇佐(うさぎ・おあんさん)と、ちょっと頭が弱いと思われる(と言っても、しつけや教育をきちんと受けられなかったがゆえ)「ほう」という少女。

ほうが世話になっていた匙の井上家のお嬢様が琴絵が殺されたことをもみ消すことになったことからいろいろな事件が動き出す(といっても、もみ消さなければならなかったのは加賀さまのお預かりがあったからだが・・)

浅木家での毒殺事件。涸滝での亡霊騒ぎからの刃傷沙汰。日高神社雷が落ちたのは天災だけど、それにまつわる人心の乱れ。井崎の死。渡部の暴走。。。

 

そんな苦しい事ばかりの中、ほうと加賀さまのやりとりがとにかく優しいのだ。

悪霊と恐れられた加賀さまに命を助けられ、手習いの時間を持ち、そして再び命を救われるほう。

ほう。呆。方。宝。

宇佐がそれをちゃんとほうから聞く前に命を落としてしまったのが残念でならない。

でもほうが無事に生きて井上家に戻ったことで、訪ねてきた和尚が知り、井上家の皆も知り、そしてその後の働き先となる塔屋にだって広がっていくのだろう。

 

加賀さまは、屋根に避雷針が埋め込まれてたそのこと事体は知らなかったのね。。っていうか、どのような形で「死」という安らぎを得ることが出来るのか(舷洲先生たちの導き(?という言葉が正しいのか)によって)詳しい事は知らされてなかったんだね。ただ、ほうの一言で、すべての事を察知できる頭脳は、「神になっていただく」のには、ホントに惜しい人物なのだ。悪がはびこる政治の世界は今も昔も理不尽だ。。

 

加賀さまの悪霊によって、乱れてしまった丸海の町が、加賀さまという神に守られて新しく再建されていく。

何とも言えない結末だけど、ほうの人生が、これから幸せであるように願うばかりである。