makiのきまぐれ読書日記

読んだ本を忘れないように。。。

「名前探しの放課後」伏線の回収が!!!

辻村深月さんの作品で、最初に読みたいと思った「名前探しの放課後」やっとたどり着きました。順番は守ってね!といろんなサイトで言われてて、その謎が解けまくり(笑)

 

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下巻に入り、読メでの上巻での感想、いつかとあすながわざわざ遠い学校に通ってるわけ、とか、名前探しの犯人(というか、救うべき自殺者)が河野であってるのかって言うのを軸に読み進めてて・・・

あすなの家族の事とか、いつかの水泳の事とか、色々分かってきて。。

ただ、あれだけ念押しされたにもかかわらず(いつかが思い出した!河野だった!って断言した)、あれ、ホントにこれって、河野君であってる??とは薄々疑問に思ってはいた。。。

それが、その日が来たといつかが思い、教室を飛び出してきた友春くんで、一気に自体が急変した。

 

そして下巻だけでもと最初から読み直すと、伏線の宝庫!とりあえず、列挙・・

 

河野が列車の旅に出かける時にたまに出かける従兄弟が!

制服で走る友春。それをストップウォッチで測る河野。

神社の隅に止められたバイク。

免許を取ってすぐに時計を気にして町を走るいつか。

じゃぁ、クリスマス会に学校前からタクシーで駆け付けた郁也君も!?

綺麗なフォームで泳ぐ河野。・・・ホントは、初めから泳げた!?

河野が友春になぐられて自殺を図ろうとした池って。。。

河野父が話す、東京駅でのエピソード。ここでも登場する従兄弟。

列車の連結を見に行った先でのあすなへの不在着信ですぐにみんなで帰る選択をした河野といつか・・・12月の第3週ですか!

いつかが学校を休んでまで会いに行ったおじいちゃん。そしてその後義兄と社長に話を引き継いだ、いつかの「頼んだ」が気になった。だって、2号店の打ち合わせじゃないの??

そして、あすながちゃんと気付いたという、戻ったのが「3か月」で、今が10月で、事件が起きるのが12月。1か月のブランク。。。

 

そして、これは辻村深月作品!今までの作品で登場した人物たちがかかわるから、読む順番が大事って言われてた。

上巻で、あすなの愛読書が、チヨダ・コーキだったことはまぁ、私じゃなくてもだれでも気付いたんでしょうね(笑)

その次が、あすなと、松永くんが音楽室で対面した時に、松永君が、どこでもドアがあったらいいのに。。。って言ったことで、あ、郁也君だ!って。彼のことはメジャースプーンのあとがきで思い出してた。。でもまって、そうしたら、彼の周りにふみちゃんはもういないの??って思った私は、やっぱり今回も惜しかったねぇ(^^;ちゃんと椿ちゃん言ってるもん。「自分もピアノが嫌になって逃げだそうとしたことがある」って!いやはや、私には結びつけられない。。

 

エピローグで、まさかあれがかかってしまうとは。。。最後に力を使ってから~のくだりで、え?これって、「ぼく」じゃん??メジャースプーンをぺらぺらと読み直してみたけれど、ぼくの名前は全く出てきてなかったよぉ。。。反則だよう。。。

って、ことは、たまにご飯を食べる家族みたいな人は秋山先生か・・・

それより、秀人はいつかにどんな「のろい」をかけたの?力を使われた方は忘れちゃうのに、その場面はいつかの目線で書かれてるんだよな。スタバに行く前。秀人の彼女をディスられた後だから、大切な人を守らないと。。系かな??

なんて考えてたら、ラストで「ふみ、危ない!」って彼女を呼ぶ秀人。

!!!!!

椿ちゃんって、名前じゃなかったんだ(;・∀・)そういえば、みんなは、椿ちゃんと呼んでたけれど、秀人が彼女を呼ぶときは「あの子」とかって言ってた!

それに、計画を練る時に、秀人がいきなりあすなを名前のちゃんずけで呼んだときに、いつかが、突っ込みを入れてた!だけど、誰もが椿の事は椿ちゃんって言ってた!

苗字と名前をあいまいに。。。ってやつ、前の作品でもあったのに、またしてもひっかかる素直な私。。。

なにはともあれ、二人が、ちゃんと普通の高校生になって、彼女と彼氏になってることがわかり、とてもうれしいラストでした。

あ、ラストは、「あすなって名前で呼んでいい?」「いいよ、いつか」だわ(#^^#)

これ、最高❤

 

そうして気になることといえば、もう一つ、クリスマス会に登場した郁也君の家族らしき人物。くじらから、今度は「一気」に再読しなきゃ打ね(^^;

 

…にしても、そんな謎解きとか、高校生の恋とかだけじゃなく、過疎問題とか、そして通信問題、家族の絆。とか、問題提起もたくさんあった。

人を呼ぶ。ためには通信を確保。コロナ禍のテレワーク問題をさきどり!?ってドキッとしちゃった。

 

 

いやはや。やはり、辻村さんのラストのどんでん返しの鮮やかさに改めて脱帽。

 

でも、みんな、幸せで、ホントによかった(^^)

何が正しいのか?「僕のメジャースプーン」はハードな物語。

私が読みたい!って思った辻村深月さんの「名前探しの放課後」まであと2冊!ていうところで、一旦小休止を入れて読んだ、「ぼくのメジャースプーン」

あれ?順番、絶対間違わないでね!って言われたけれど、今までの関係者、出てきた?・・・それとも、これを読まないと次読んじゃいけないんだっけ??

あとがきを読んで、呆然としました( ゚Д゚) 前作「子供たちは夜と遊ぶ」の秋先生。そして動物園のお兄さんお姉さんは、月子と狐塚(?)ですって!?(;・∀・)

順番を守ったにもかかわらず、わけがわかっていない私という人間は、ちょいつらい。。。

 

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声の力を持つ少年ぼく。お友達のふみちゃんが大事にしてた学校のうさぎを殺されて、心がこわれちゃった。犯人市川に直接会って、声の力を使って、反省させたい!

その声の力をうまく使うために、1週間、先生のもとで訓練する。。。

 

その先生のスタンスに何度もびっくりさせられた。

「僕が力を貸すことはない」って言いきる突き放した感。

「市川雄太に声の力で何かの罰を与えても、ふみちゃんは元に戻らないし、うさぎの命が戻ってくるわけじゃない」正しくても弱った少年人に大人が面と向かって言えないであろうことあえていうまっすぐさ。

「いじめですよ。相手を苦しめるためだから当然でしょう。それとも、他に何かいい方法が思いつきますか」やろうとしてることは他の人から見れば、そうなるんですよ!と悪を悪だと言い放つ。

秋山先生は、前作で知ってるというけれど、実際私が覚えてないので、なんて人なんだろうって思う。冷たいというか、冷めてるというか。。。

そして、自分なら市川に対してこうするという結論が。。。

「彼には、報いを受けてもらいます。これは、因果応報なんですよ。誰かに対してひどい行いをしたもの、誰かを馬鹿にして笑ったもの、傷つけた者。そういう人間は、いつか必ず自分の人生にそれが返ってくる。」

うん、彼は声と共に良くも悪くもこうやって生きてきたのだろう。それを同じ力を持つものに覚悟をさせるというのはとても正しい教えなんだけど。。。相手は小4のちびっこですよ!?(^^;

 

でも実際、ぼくが市川に対して声を使ったとき、その後の対応は、とても愛情深く優しい感じで、ホッとした。じ~んとした。「声の力」に向き合ってきた人生は、悪いものじゃないっていう、ぼくが将来、きちんと楽しく生きていってもらいたいっていうのを証明してくれてるみたいだから。。。

 

にしても、問題提起がすっかり大人の私にだって答えづらい質問の数々

「うさぎの命を人間と同じように数えるなら、大量虐殺だから無期懲役ですか。それともうさぎ何匹分を一人、というように単位の決まりを作って考えるのがいいですか。実際には、うさぎは何匹殺されようと人間一人分の命には及ばない。そこを考え直しますか」

「まず、ペットとして買っているうさぎを虐待して殺すという事。次に、山の中をドライブしていて、とびだしてきたうさぎをうっかりひき殺してしまうという事、最後に、食用としてウサギを殺すということ」

「復讐なんていうものは、結局は心を満たしてはくれない。それでも考えられるだけ一番ひどい復讐をしようと思ったときには、結局は長い時間かけて相手にできるだけ苦痛を与え、最後は殺すというやり方が一番いい。突きつめると、そんな方法しかないんだと思った。」

う~ん。である。とにかく、正論であり、建前であり、何を主張して声を上げるかというのは、とても難しい事なのである。。。

 

「ライオンが先か卵が先か」という命題に、そもそも前提が間違っているから無意味。の答えに、もうひたすらう~ん。むむむ。なのである。。。「前提」そこが大事。

 

レストランでの喫煙の話なんて・・・。自分が喫煙者だとしての言い分。喫煙者の友達としての言い分、煙が苦手な人としての言い分。どれだって、正々堂々と主張できる言い分なわけで、自分の立場によって、正しい事は全く変わる。。。そういうこと。

 

ま、結果、ぼくの声は、秋先生はもちろん、私にだって想像できなかった強いもので、なるほど彼の思いに圧倒&脱帽!!!きっと繊細だけど、とても強い男の子。彼みたいな大人が増えれば、人は優しく生きられて、優しい世の中になるんだろうな・・・

 

だからこそ、ふみちゃんも。。。

 

この子たちの未来の物語が、またどこかで読めるのかしらね???

 

さてさて、とりあえず、次の作品、待望の名前探しの放課後に進みますが、子供たちは夜と遊ぶ、再読する時への宿題です。さてさて、これを言ったのはだれですか??

 

「犯人と友達にならなければならない」

「何もしないで、忘れるように努力する」

「犯人を、ウサギと同じ目に遭わせる」

亡者もイロイロ!?「あかんべぇ」は良い本だ。

宮部みゆきさんの昔の本を読み返そうシリーズ(2021年秋、勝手に命名)、第1弾

「あかんべえ」時代物です。

我が家にあるのは当然単行本。2002年3月29日第1版第1刷発行。約20年前に読んだのねぇ。。。今年読んだ本でもないよう忘れるくらいだから、そんなん覚えてるわけないやん。と思いつつ、ちっちゃな女の子が肩車をされて歩いていく・・・って場面とそこで号泣した記憶だけが鮮明にあって。。。実際のところ怖い話だってことは忘れてましたけどね(^^;

 

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舞台は「ふね屋」って料理屋さん。

主人公は12歳(多分)のおりんちゃん。それを取り巻く人たちは。。。

父太一郎は祖父七兵衛にひろわれ訪朝人として育てられ「高田屋」から独立して「ふね屋」の主となる。母多恵、祖母おさき。ふね屋にはもう一人おつたさんという女中。

そのふね屋の土地はは昔興願寺という寺があり、そこの住職が悪行悪事をくりかえし取り壊しになった場所でお化けがでる???

りんはそのお化けさん、亡者たちの姿が見え話もできる。

あっかんべぇをする少女「お梅」、りんの病をあんま治療で直してくれた「笑い坊」、色男な「玄之介」、美しい「おみつ」、そしてふね屋で大騒動を起こしてしまった「おどろ髪」

お梅がらみで知り合った孫兵衛店のヒネ勝(勝次郎)。お隣さんの長坂主水助(もんどのすけ)。おどろ髪を呼び出す騒動の元になった浅田屋と白子屋白子屋のお静とおゆう。その場に料理人補佐として呼ばれた島次と嫁のおたか、そして「銀次」

 

現代、ふね屋で繰り広げられる騒動が、お化けさんたちの遺恨と交差する。

自身の身の上とも交差しつつ、お化けさんたちと話し合いながら人生勉強を積むおりん。親子であったり兄弟であったり横恋慕だったり、勘違いからの行き違いとか。

今も昔も人の業は変わらないことの証明。でも、その中で人は分かりあいながら生きていく。

 

仏に仕えながら「仏なんていない仏さまに自分のことを救ってみろ、罰してみろと」悪行を重ねた興願寺の元住職と、「そんなことない、いつも仏に囲まれてた」というその娘(しかもその父に殺された)お梅の会話が。。。そんなお梅が元住職の父を導いていくのが、私の強烈に覚えていた場面だった。。。

うん。私、肝心なとこは抑えてるじゃん!?(苦笑)

 

あんなふうになりたくないと目覚めるおゆうとおつた。そう、我に返ると人間捨てたものじゃないのである。のめりこみすぎるといい事なんてないので、一歩下がって見直すことも大事なんだなぁと。。。

 

お隣の主水助さま。良いところで出てくて、良い方向に導いてくれる、なんか、「ただのいい人」が、やっぱり、いいんだな~なんて見当違いなことをおもいつつ。。。

 

笑い坊、おみつ、玄之介との悲しい別れがあったけど、おりんはこれからきっと幸せになる。太一郎と多恵の愛情にくるまれて・・・

 

…にしても、銀次が怖すぎた。おゆうはともかく、おさきさんに銀次が見えたのにはびっくりだけど、まぁ馬鹿正直(ちょっとちがうか?)な七兵衛を操縦しつつ高田屋を支えてきたんだから、いろいろあったんだろう。それが女の人生だろう!

 

怖くて、苦しいお話だったけど、最後はホントに心晴々。亡者とお近づきにならない程度に(元之介とかおみつとのような亡者と友達になるのは悪くないけど)、面白おかしく生きていきたいなぁと、改めて思う私なのである。