makiのきまぐれ読書日記

読んだ本を忘れないように。。。

人が優しい!「そして、バトンは渡された」

久しぶりの更新。本は結構読んでたんだけど。。。実は苦手なBook記事(^^;

でも今回読んだ、瀬尾まいこさんの「そして、バトンは渡された」

実に良い本だったので、読メの250文字には収まりきらず、久々の記事upとなりました!

 

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2019年の本屋大賞受賞作だったんですね~。

瀬尾まいこさんは「図書館の神様」に続くまだ2度目まして・・・の作家さんなんだけど、描かれる人物が実に優しい!

描かれる人物が素晴らしい作家さんといえば私的には有川浩(から有川ひろに改名なさった)さん、なんだけど、瀬尾さんの書かれる人物は、ほんっとに優しすぎます!!

 

母親と死に別れ、父が再婚するも、家族形態が何度も変わった主人公「優子」の高校3年生の1年間が主軸に物語が進むのだけれども。。。

 

まず、というかもちろん、優子がやさしいのである。

女子高生によくある、男をめぐっての友情の決裂が描かれる。っていうか、一方的に逆恨みされて無視される。。。んだけど、お友達の萌絵ちゃん!

いやいやそんだけ自我が強くて自信もありそうなんだから、わざわざ彼女の事が好きっていった相手に恋の橋渡しを頼むって、ありえなくない!?いい口持ってんだから自分で言えるでしょ!!って私なんて結構憤慨してたんだけど。。。自分が悪かったって思っちゃうのよねぇ。。。さらに、その相手、浜坂くんも。。。俺の為にごめんって。。

あぁ、そんな純粋培養のような世界で育ったら、私もこんなにならなかったか(^^;

 

あとは、彼女の父、母ですよね~。

結局は離れることになってしまった実の父(最初の父?)水戸さん。小学生の娘に父親と母親を選べって、むちゃな選択だけど、それも優子のことを思って、思って、思って。。。の事だよね。離れ離れになって手紙を書いても返事はこない。。。のは誰もがきっと分かってた結果だったし、ラスト、ちゃんと結婚式場に現れるなんて。。。

下手すりゃ自分を選ばなかった、手紙に返事をくれなかった、あってくれなかった。。。で、さすがに親だから恨んだり憎んだりしなくてもいい風には思わないよね。されにせっかく再婚して幸せな家庭なのに突然結婚式って言われても、、、今の家庭に波風立てたくない!とかって思わない??(あぁ、やっぱ私ひねくれてるの??)

 

そして、2番目の父泉ヶ原さん。梨花さんが、優子にピアノを弾かせたいために。。。っていう策略を知っていたのか知らないのか。。。急に若い嫁、それも娘付きの(さらにそれは、血がつながっていない!!)人と穏やかに暮らせますか!?結婚祝いにと300万もポンと出せますか??さらに、梨花さんのことだって。。。

 

この物語の中心にいたのは、優子と3番目の父森宮さん。

梨花さんが彼を選んだ理由がこれまたぶったまげたものだけど。。。頭のいい人は何考えてるかイマイチわからん(+_+)でも、悪い人じゃないんだよね。。のとんちんかんな人で、あげくには優子の結婚に反対し出した時は、えぇぇ!!!!って思ったけど。ラストはものすごくいい父親だったよね~~~~(T_T)

守るべきものができて強くなるとか、自分より大事なものがあるとか、歯の浮くようなセリフ、歌や映画や小説にあふれてるだろう。そういうの、どれも大げさだって思ってたし、いくら恋愛をしたって、全然ぴんとこなかった。だけど、優子ちゃんが来てわかったよ。自分より大事なものがあるのは幸せだし、自分のためにはできないことも子供のためならできる

 うん。そんな生活を、見せていただきました。。結局、早瀬君のことだって。。。そして、水戸さんの事も!!!

 

そして圧倒的な愛情に私は震えそうになったのが、梨花さん!

ピアノを弾かせたいって泉ヶ原さんを見つけてきた時に、そんな愛情ある?って思うもすぐいなくなっちゃって、あれ??っていうか、そういえば、水戸さんへの手紙をインターセプトしてるのは彼女しかいないよね?って当然の事疑ってたし、さらに今度は頭がいいって言う理由(?)で森宮さんと結婚して、これまたすぐいなくなっちゃって。。。挙句に、消息をたっちゃうって、この人いったいどういう人?って思ってたのに。。。

結果は、とにかく全部、優子ちゃんを思ってのことだと分かった時にはもう涙が止まらなくなっちゃいました。。。優子の結婚式に間に合わず、死んじゃうんじゃないかととどぎまぎしたけど、そこにも作者の優しさがあふれてて、死んだりしなかった!最後(って言い方も変だけど)まで、一見ちょっと身勝手ででもホントはそうじゃない愛にあふれてました(^^)

解説で上白石萌音さんが彼女のこの言葉が好き。。。って書いてらっしゃったけど

楽しいときは思いっきり、しんどいときもそれなりに笑っておかなきゃ

 私がここ読んだとき、大好きなミスチルのあの歌詞が浮かんだの

良いことがあってこその笑顔じゃなくて

笑顔でいりゃ 良い事あると思えたら

それが良い事の 序章です

 きっと、瀬尾さん、ミスチルファンだよ!!って(笑)

。。。話が横道にそれちゃいました(^^;

 

人を作るのは人。一見、何度も親が変わり住むとこが変わり環境が変わり。。。気苦労しかないような不幸に見える。でも、そんな中で、相手を思いやる、そして自分を追い込みもしない。。。そんな優子を作ったのは、この愛情あふれる人たちとの出会いがあってこそ!!

 

そしてそんな愛情のバトンが、つながれていく。。。

 

あぁ、この題名におさまるわけね。。。

 

そして・・・・ラストまで読んでしみじみしながら、改めて最初のページを開いたら。。。

あれ??

なんだか??がいっぱいだったモノローグは。。。

この日の出来ことだったのか!!という、ことにきづいてさらにしみじみ。そのままもう一度彼女の人生をたどることになってしまった私なのでした。

 

うん、いい人しか出てこない!って思ったけど、彼女の高校の同級生たちは結構やんちゃだったか。。。でも、圧倒的にがっこうなんてそんなもんだから「ホント」感が増したかな(笑)

そうそう、最後につけくわえておくと、当時の彼氏の脇田君、彼も(クラスメイト達みたいに)絶対、優子の事傷つける。。。とかって思ってた(笑)

やっぱ、私は、性格悪いのね(-_-;)

順番、あってる?「春季限定いちごタルト事件」

半年ぐらい前の話なのかしら?最近私が読む本に結構影響を受けてる「読書メーター」でやたらと、話題になってた、米澤穂信さんの「巴里マカロンの謎」どうやらシリーズものだけど、長らく新作が出てなかったようで、盛り上がっていた。。

盛り上がっているのは読まねばならない。。。とシリーズ全巻揃えたものの。。やはり今回も熟成(笑)ま、半年ぐらいは優秀じゃない??

読み始めたのはいいけれど、なんだかお話についていけない!?主人公二人の関係がさも自然に書かれているようだけれども、私にはさっぱりわからない?だから、え?読む順番間違えた?普通春からでしょ?っていうか、私そういうことにこだわる人だから買ったときにちゃんと順番には並べてるはずだよ??と思いながらもすぐにググって調べるも。。。ちゃんと順番はあってました。

 

米澤穂信さんの「春季限定いちごタルト事件」

 

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小市民を目指す(?)高校1年生の小鳩くんと小山内さん。彼らの学園恋愛ものにちょっとした事件が起こり、二人で解決していくライトノベル的お話かと思うのに、どうも二人の間の空気がぎこちない!?

そして登場する小鳩君の幼馴染の健吾君。何作目かで、小鳩くん(常悟朗)が昔と違う、昔のおまえをおれは嫌いじゃなかったのに。。。的な話が入ってきたころには、いくら先の読めない私でも、小鳩くんと小山内さんが、過去の自分から逃げて(?)、小市民になろうと必死に努力しているということが分かってきた。

小柄で人見知りそうな小山内さんが、きっと、ちょっと怖いんだろなということも。。。

 

ただ、2話目くらいで、タイトルの春限定いちごタルト事件は起こるのである。まぁ、最終日に無事に手に入れられて自転車の加護にのせられた期間限定タルトが、その自転車ごと盗まれてしまうという!!

なるほど、これがいわゆる表題作なのね。。。と思ってページを戻せば、副題(?)はまた違っているわけで。。。あら、これまた、そうなのね。。。と読み進めるものの、これが、ラスト、あんな感じで広がって、ましてや、二人の過去について、今二人が一緒にいる理由についてが、明らかになっていくなんて!!

こりゃ、やられたね~~~~って感じでした。健吾君と一緒に、あんぐりと口をひらいてしまいそうでした。。。

 

めだたない小市民を願う二人だけれど、なぜだか謎が二人のもとに寄ってくる。

消えたポシェット

美術部の先輩が残した2枚の絵

おいしいココアはどうやって入れられたのか

テストの最後に落ちて割れたスポーツドリンクの瓶

高校生活の中でどこにでも転がっていそうな謎といえば大げさそうでしょうという問題にあたるのだけなのに、どこか躊躇する二人が、最後の不正免許詐欺事件について、反省会(?)を開く場面がなんともいい。

 

僕たちは別に、自分を誤魔化してるんじゃない。一朝一夕にはうまくいかない。諦めずに、じっくりやっていこうよ。

 

目指すは小市民。いやいや、高校一年生が努力してめざすものでもないと思うんですけど(笑)でも、その称号をいかに手に入れようと進んでいくのか。そりゃぁ、目がはなせませんね♪♪

「桜ほうさら」了読。。結末に涙。。。

宮部みゆきさんの時代小説「桜ほうさら」読み終えました。

後半、涙が止まらなかった。

なんせ、きたきた捕物帖で、笙之介の住んでいた部屋に北一が住むことになった際に、「闇討ちで切り殺された若い浪人のことかなぁ」なんて思い返すもんだから、読んでるはずのこの作品の結末が、どうにもいけねぇ。。。って感じだったんだけれども。。。

よかった。。。である。

物語が最初に返って、そえさんが言った「ささらほうさら」を地でいってしまった笙之介。そして、和香のいう「さくらほうさら」のくだり。。。ホントよかった(^^)

富勘長屋の人々やら村田屋さんやらあまたの人物が出てくる新シリーズで、ちょっとでも音沙汰を聞ける日が、今後またあればいいなと願うのである。。。

でも、私、気付けるかな(^^; 「笙之介」じゃぁないからね!ちゃんと覚えておきなさいよ!私!!とここでちゃんと、記録しておこう(笑)

 

 

押込御免郎(・・何度出てきても、なんて名前だ!!)と村田屋治兵衛。そして東谷こと坂崎重秀との関係が。。。うう、笙之介、ホント、気の毒!!なわけだけど、でも、そんな笙之介だから、彼らもの方の心苦しさも。。。あっただろうなと。。。

そして武部先生の男気に、なんだかんだの治兵衛に、良い友を得られた笙之介がうらやましい。。結局、江戸に出てきたのは間違いじゃなかったという事で(^^)v

 

で、兄勝之助である。どうなんだろう?この兄弟、ちょっと極端すぎないかい?父も母も同じなのに。。。という疑問は残る。でも、決して、坂崎の嘘は嘘なのであろう。最後にためらった。。。というのは、せめてもの真実であったほしいものだ。彼が御免郎のような人生でなく、「ためらった」ことを真実として、生きていってくれてたらと思うけど。。。あの凝り固まった性分じゃぁ。。。だって、肉親をためらいなくっていう性格は相当なもので。。。負の気持ち(?)ってのは、よくないものしか生まないのね~と自分の人生をちょっと見返すきっかけに!?

 

強くなった和香さん。結局、笙之介は、和香さんとの出会いが一番のめっけもの。でも、これを、「運命」と呼ぶのかしら・・・なんて、乙女心で、本を置きましょう( *´艸`)