makiのきまぐれ読書日記

読んだ本を忘れないように。。。

「ツナグ」研修中の歩美くん。

先日ツナグの2作目の文庫版が発売になって、先にこっち復讐してから読むのが絶対良い!とかって計画してたのに、2冊目を読み、もちろん十分それだけで楽しめたけど、やっぱりもやもや。。。そして、戻ってきた「ツナグ」である。

2作目を本棚に並べるときにびっくりしたよ。へぇ、これも辻村深月さんなんだ~って・・・初期シリーズ(あちこちで入り乱れる登場人物たち!)とは、ちょっと感じがちがうから、わからなかったよ!

最初読んだ時の感想(2013年)読んでたら、ふ~ん。って感じで特によかった~とかって印象はなかったんだけど、お涙頂戴だけでなく、ヘビーなとこがあったり、でもやっぱりとても素敵だったり。。。

とっとと2冊セットで売りに出そうと思ってたけど、やめます!

さらなる続編(3)を望み、その時、あれ?どんな話??って考えこまずに済むようにするための。。。まとめ記事。

 

 

アイドルの心得

平瀬愛美→水城サヲリ

人との付き合いが苦手な愛美。ひょんなことで出会い、助けてくれた(心身ともに)アイドルのサヲリがある日突然亡くなった。壮絶な過去を持つサヲリ。自殺?

心のよりどころを亡くした愛美は、ただのファンという存在ながら、面会を求める。

 

長男の心得

畠田靖彦→ツル

山の権利書の場所がどうしても見つからない。家を仕切っていた母親ならばわかるはず。という理由で面会を求めた畠田家の長男靖彦は、いわゆる「けむたい」男であった。。そして次男の久仁彦にコンプレックスを抱き、さらに自分の長男太一が男らしくない(?)ことに腹を立てている。。。。

といいながら、ホントのところは自信がなくて、ただただ母親に会いたかった! 笑

母ツルはその昔、使者を通じて靖彦の父である旦那に会っている。それはなんと、孫(靖彦の息子)を連れて!! 

生きているうちに1度だけ。。の理がこんなところに!ってびっくりだね。

なんだかんだといいながら、歩美に、自分を頼って来いと名刺を渡すところ。いい場面。

 

親友の心得

嵐美砂→御園奈津

悪いのは美砂か、それとも奈津か。

確かに美砂は、思いあがった自己中的なところがあるけれど。。。本質的には弱虫。

それに対して、美砂が自分のものと望んでいたオーデション(?)に立候補したり、使者を通じての再開の時に、あれだけ楽しく話しながらも最後に爆弾を落とすあたり、結構したたかなのか??

使者と再会しても、誰もが幸せになるわけじゃない!!その見本ですね。

 

待ち人の心得

おばあちゃんがスカウト(?)した依頼人

土谷功一→日向キララ(鍬本輝子)

結婚を約束(?)しながら、いなくなって7年もたつキララを、それでも待ち続ける功一。そんな功一が現実を見たくなくて、仕事に熱中。過労で入院した病院が、歩美の祖母と同じだった。それが運命。

使者に依頼すること。そして、会えること。それはキララが死んでしまっているという事。その現実を受け入れられない、受け入れたくない功一に、歩美は雨の中を駆け回り、会うべきだと諭す。。。

 

使者の心得

祖母アイ子さんから使者(つなぐ)を引き継ぐ主人公歩美。

ここまでの4つの物語の、使者、歩美目線での物語。(いわゆる裏話的な??)

依頼者との最初の待ち合わせ場所が、なぜ病院の、それも中庭だったのか。。。とか。

アイドルの心得の愛美が、待ち人の心得に出てくるんだけれども、「死ぬつもり」だった彼女が人と関わりながら、しっかりと生きていたことはうれしかったよ!

親友の心得で、まちがってしまった美砂のその後。。。

にしても、歩美君のコートの話。本編で読んだ時に、確かにあれ?って思ったけれど。。。その話を聞いた奈津ってどんな気持ち?本編とこの章で語られる美砂と奈津。どちらもつらくてそして腹立たしい。「道は凍ってなかったよ」その言葉の爆弾をあえて投下した奈津。ホントは、どうだったんだろうな。。。でも、美砂のさらなる(?)裏切り(コートの件?)を知ってなお、その時間を笑って過ごした奈津はどんなだったんだろう。。うん、絶対、奈津の方が結局強いんだね。そして美砂はこれからも生きていかないといけない。。。。そして生きていく美砂を見続けた使者であり、同級生である歩美君。(そして次作7年後に再び。。。でも、まだあのコート着てた?ってつぶやいてたよね。コート事件の美砂の発言は、悪意なんて、なかったんだろうなぁ。。。)

そして、これは長男の心得の時に、「両親ともいない。小さい頃に会ったきり」と答えた歩美の両親の話が明かされる。その真実が。。。愛にあふれてた。その答えにたどり着いた歩美の優しさと強さ。

迷いながらの研修案件で、感じた人間の弱さ、醜さみたいなのを目の当たりにしながらも、人間の優しさ、強さを感じ取ることができた歩美くん。すごいなぁ。。。

そしてその答えが、祖母の後悔をも晴らしてしまうものだったから。。

 

そうして歩美くんは使者になった。そして、秋山家の離れられない(いい意味で)一員になって物語は終わる。。。。正確には、7年後のシリーズ2作目に続く。。。