makiのきまぐれ読書日記

読んだ本を忘れないように。。。

「模倣犯」第2部は犯人側からの事件模様。無念である。。。

上巻で、第2部が終わると思いきや。。。1部ラストで起きた事件そのものは下巻にまで続くという。。。あともう少し、もう少し。。。と上巻の残りページを感じながら読み進めたのにその絶望といえば・・・(大げさな汗)というわけで、下巻途中まで進めての、第2部のまとめ。

宮部みゆきさん「模倣犯」である。

 

 

1996年9月12日、大川公園のごみ箱から見つかった右腕、それに関連する事件模様が描かれた第1部。

第2部はそこからさらにさかのぼること2年半、1994年3月1日、「高井和明」の両親のお店長寿庵のオープンの日から始まる。

第1部ラストでトランクに死体を積んだ高井和明と栗橋浩美の乗った車が事故を起こし、くだんの連続殺人犯がこの二人だということが判明(?)したわけだが、その犯人側からの事件の経過が語られるのがこの第2部。

主要登場人物はもちろん、栗橋浩美と高井和明。しかしながら実際は「ピース」と呼ばれる人物が、裏で舵をとっている??

 

栗橋浩美 自分より先に生まれ死んだ姉ヒロミの亡霊におびえて暮らす。まぁ母親の育て方が大いに問題があったわけだけど、本人の気質も大いにあって、いわゆる「輩」に成長する。自分はもっとできるはず!とかってわけのわからぬ自信を持ち、いい大学に進み、いい仕事に就くも、とっとと退職して、ブラブラとして過ごしている。

 

高井和明 長寿庵長男。先天的な目の障害を持っているため、人よりちょっと愚鈍にみられる傾向がある。小さい頃はそれによって苦労をするが、中学の時に出会った教師により病気が発見され、その後、その前提で、自信を取り戻した(?)和明は、くさらずに大人になる。栗橋とは幼馴染で、自分をバカにしてあごで使う彼のことを、まじめに心配して親友だからとかばう。。。ちょっとバカがつくようないい人。

 

高井由美子 和明の妹。昔兄の友達の栗橋にあこがれの気持ちを抱いていたがある事件をきっかけに、彼の本性を見抜き、距離をとっている。兄が栗橋をかばい、付き合っているのが気に入らない。兄思いのいい妹

 

ピース 栗橋の師匠(という言い方も変だが)。転校生で浩美の姉の亡霊を亡き者にした(?)ため、栗橋からの絶大な信頼を得る。栗橋(?和明だっけ?)の回想で名前が明らかになる場面があったが、あえて、伏せられているのが気になる。塾講師。元カウンセラー。事件のブレーン。

 

 

大井川公園のごみ箱から見つかった右腕。それに始まる事件は、その日から2年半前、和明の長寿庵がオープンした日、彼女と店に立ち寄った栗橋が、デート中、彼女とそこに出てきた少女を殺してしまった日から始まった。

困ったときにはピースを頼る栗橋。

承認欲求の強いピースは、これを機に、世間を騒がせる「悪」で世間を大騒ぎさせる事件を計画。2年半かけて着々と準備を進め、事件を起こし、世間を騒がせ、そして、犯人の死までを演出。

 

ピースは完璧なようだけど、ちょっと自分の世界に浸りきる傾向があり、自分の思い通りにならないと・・・浩美は彼に頼り切っているようにも見えるけど、ある意味ピースの歯止め役にもなっている。。。気がする。。。浩美はそもそも頭がいいから、育ち方によって、ごくまともな人になれたのになぁ。。。ピースと出会ってしまったのも、不幸だなぁ。。。と思う。

 

一方和明。彼は。。。。(^^; ほんとに気の毒としか言いようがない。男同士の友情?人を信じる性善説??浩美が事件にかかわっているとわかりながらも彼を疑いきれないことにより、結局巻き込まれて死んじゃう。一緒に浩美が死んでくれたからまだよかった(?)ものの、犯人にされちゃって。。。浩美の母の入院先でいい人ぶり(ぶってるんじゃなくて、本性なんだけど)を第三者に目撃されてるのが、この先、いい方に転がればいいけど。。。

 

そして下巻に入って、大人の男を殺したピースと栗原、その犯人に仕立て上げられるために別荘に到着するカズ。

しかしカズは成長して、黒幕の存在と、操られている浩美を理解していて、その浩美を自首させ、悪から助ける心づもりだった。。。。

揺れる浩美。計画の実現を疑わないピース。ほぼ、説得に成功したかに見えていたカズ。でもその道中で、壊れた浩美。。。。

あぁ、こんな風に、カズと浩美は犯人になった。。。それなのに、ピースときたら!!

とにかく腹立たしさしか残らない、2部のラストであった。

カズの努力が成功する結末であってもおかしくはないのに、天はピースに味方した。。。あぁ、これから、どうやって、ピースが自爆していくんだっけ。。。でもまだ、胸糞悪い新しいピース劇場が始まる。。。

 

この本を読んだ当時はほんとに強烈で、ちょっと怖くて夜が怖かった。。。

女性たちに対する別荘での処刑(?)のえげつなさ。。。成人男性の木村さんの時に改めて触れられる後始末とか。。。。庭に墓標の代わりとなるドンペリの瓶とか。。。

そのくせ、犯人のピース(映画版で中居くんの頭が爆発したのは、また違う意味で衝(笑)撃的な記憶!?)と、その仮面に惑わされる妹由美子、犯人にされた和明。の事件と思ってて、栗橋浩美なる人物の存在をすっかり忘れていたってか!?(;´・ω・)

ピースと和明、二人をつなぐ、っていうかそもそも事件の発端を作った、超重要人物じゃんね(^^;

最初の殺人で寄ったガソリンスタンドでの出来事も伏線だっけ?(最後の事件の発生に関係しただけじゃなかったはず!?)。

由美子が犯罪被害者の娘樋口めぐみと出会ってしまったのも運命か。。。

 

あれこれと記憶を思い起こしながら。。。解決編(?)第3部へ進みます。