makiのきまぐれ読書日記

読んだ本を忘れないように。。。

それでも御子柴シリーズは続くのね?「追憶の夜想曲」

岬洋介シリーズでありながら、中山作品オールスター総出演の「合唱」をより楽しむためにと「カエル男」からはじまった、中山七里作品も、6冊目。御子柴シリーズとしては2冊目の「追憶の夜想曲ノクターン」である。

 

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弁護士御子柴礼二。殺人を犯し刑に服した過去があり、弁護士=正義の味方っていう図式を木っ端みじんにしてくれた悪徳弁護士。

シリーズ1作目ではいきなり、彼による死体遺棄の場面から始まり、事件は解決(?真相を見極めた)するものの、最後は大けがをして生死をさまう。。。

そしてシリーズ2作目の冒頭では、その過去に起こした殺人の場面を夢で再現する。。。という、再びのいきなりカウンターパンチをくらったような衝撃。。。

そしてラストは、その過去の刑が明るみになるという。。。

シリーズものである。(少なくても今4冊世に出てる)という事実を知りながらも、いや、今回ばかりは弁護士続けていけないでしょうよ。シリーズは終わりでしょうよ。と思いたくなる結末。。。なんという人なんでしょうね。御子柴礼二。

 

とりあえず、そこは横にやっとくとして。。。

 

怪我をした御子柴が退院したところからストーリーが始まるわけだけど。。。あれ?なんで怪我したんだっけ。。。わき腹が痛む。。。刺されたのよね。。。思い出せないままも先が気になり、了読してから、前作をひっくり返すと。。。

今(1作目当時)扱ってる事件ではない被害者の母親に恨まれて刺されてた!うん、そうだった!(^^;

留守を預かってた事務員さんがもう二度とこんなことは。。。と心配する通り、多少常識からずれたことでも我が道を行く人、なんだよね。。。

 

でも、今回の事件。そもそも、普通なら彼女の弁護どころか、かかわることさえ避けようとするのが人情。それなのに、前任の弁護士を脅してまで自分がやろうとするその心意気。宣伝効果を期待してるってみんなには説明してたけど、そもそもひっくり返せなかったら元も子もないじゃん。なんで??からの結末に、ただただもう、びっくり。

前回でも語られた稲見さんとの出会いが、そして約束、決意を全うするとするその人間性は、やはり普通の人とはかけ離れている。やっぱ、いい人なん??って勘違い(?)しそうになる笑(もはや何が正しいのかわからんが・・)だから、やっぱり、彼から目を離せないわけで、シリーズがこれから続く事にも安堵するのである。。

 

そうそう、読メの感想には書ききれなかったんだけど、本作に登場するのは岬洋介の父親。検事岬恭平である。一度負けた御子柴になみなみならぬ対抗意識を持つところが、もはや、かわいい。。岬洋介シリーズから入った読者の一人として、父恭平は、かなり煙たい存在だけど。。。おっとり(?)とした洋介とは、これじゃ、そりゃぁ、意見が合うはずもないよと思うけど。。。悪い人ではない、ホント仕事熱心な堅物だけど笑

 

それから、同業の弁護士宝来兼人。 「合唱」のあとがきに結構出てくる名前で、主人公以外の同業者?部下か何かか?な~んて思ってたら、わりと情けない人で。。。ありあまる気骨を持った御子柴とは対照的でまた違った意味で弁護士らしくない感じ?へぇ~って感じだった。ホント、中山作品にはいろんな人がいて面白い。物覚えが恐ろしく悪い私には結構大変だけど、ここでちょっと記録しておこう笑

 

まぁ、同業って言ったら、先輩?に当たるのか??弁護士会重鎮である鬼崎こと谷崎氏の言葉は興味深い「この世には三つだけ嘘を吐いても良いとされる職業がある。日銀総裁と、物書きと、そして弁護士だ」。日銀総裁はちょっとわからないけど、たった三つの選択肢に物書き、つまり自分(作者)入れてるじゃん(笑)って、ちょっとツボだった。そうか、この人がいるから、(彼は御子柴の過去の事件を知っている!)、この後シリーズは続いていくのか??この名前も忘れてはならない。。。( ..)φメモメモ

 

 

で最後にちょっとだけ、本編。

彼女(母親)がかばうのは娘の二人どっちかだと思ってた。ただ倫子ちゃんはあまりにも良い子で(^^)そうすると、病気がちのお姉ちゃん!?そして、さしはさまれた男が少女凌辱を想像する場面。そっか。。。でもそれをうまく事件に結び付けられなくて、彼だとは思わなかったね~。そのちょっと前に証人で呼び出された貸金の取り立ての人(?)が!!なんて思ってしまった汗。私が想像することと言えば案の定。。。彼はあくまでも通りすがりのただのわき役だったか笑

これから倫子ちゃんの人生はとても大変なことになるだろう。。。まっすぐなかわいらしさ、をこのまま持ち続けてくれるといいなと願う勝手な大人の私なのである。