makiのきまぐれ読書日記

読んだ本を忘れないように。。。

ドラえもん愛にあふれる「凍りのくじら」

スロウハイツの神様」ですっかり虜になった辻村深月さん。彼女の本は登場人物があちこちの作品にリンクするようで、あちこちに、読む順番ってのがupされてるんだけれども、たいていが、まだ文庫化されてない「かがみの孤城」なのよね。。。でも私、「名前探しの放課後」が読みたいの。。。それは、私のリストだと、7作目になってしまう。。。ということで、2番目をすっ飛ばして3に進んだ(笑)

 

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辻村深月さん 凍りのくじら

 

スロウハイツの時も思ったんだけれども、辻村さんの本ってスロースターターじゃない?最初は、なんだか、よくわかない感じで、たんたんと物語が進んでいくのよね。。

でも、気付いたときには先が気になって、あれっあれ??って言ううちに読み終わる。。で、この本を読み終わって読書メーターにとりあえずつづった感想。

 

郁也くんのピアノを聞いたあとの多恵さんが話す『あきらさん』に混乱した私。あの引っ掛かりを、ラストで私は残念がる。。もうちょっとだったのにねと(笑) 

 

帯にも書いてあるように、「ドラえもん」愛が詰まった物語であります。なんせ章題が

第1章 どこでもドア

第2章 カワイソメダ

第3章 もしもボックス

第4章 いやなことヒューズ

第5章 先取り約束黄

第6章 ムード盛り上げ楽団

第7章 ツーカー

第8章 タイムカプセル

第9章 どくさいスイッチ

第10章 四次元ポケット

ドラえもんの道具の名前なんですから。。。

主人公芹沢理帆子がドラえもん好きで、それはいなくなった父との思い出でもあった。初めて読んだミステリー・ラブストーリー・SF。一番最初は全部「ドラえもん」からなんだろう。大事なことは全部そこで教わったと語られている。きっと作者辻村さんもそうなんだろう。

もちろん、我が家にもドラえもんの漫画本は棚に並んでいたし、初めて見た映画はのび太の恐竜だったと記憶する。誰もが通った道だ。でもここにならんだ10この道具でさえ、私にはそんなのあったのね??という方が多くって。。。そして、ドラえもんのび太への愛。藤子不二雄氏ののび太への愛が、辻村さんを通して教えられるこの物語である。「ドラえもん」漫画のくせして深すぎる・・・のである。。

 

で、それはおいといて、私の感想、「もうちょっとだったのにね(笑)」である。。私が混乱した場面は第7章(・・・結構後半である。。。)で、それまでなんとなく理帆子の人生を追っかけていたんだけれども。。。

郁也君、それは、理帆子が世話になっている父の友人の隠し子(といっても明確に隠れているわけではない)。出会いは、理帆子のよき相談相手の先輩別所さんつながりで出会った子供。そのこの家にひょんなことで遊びに行った理帆子が、郁也の家の家政婦に「あきらさん」が少しだけこの家に住んでたことがあるって理帆子にその部屋に案内してくれるんだけれども。。。一面に貼ってある、父の写真。え?父がここに住んでたの?父の友達の子どもの家だけど、、、でも父の名前は光だよね?そもそも郁也と理帆子をつなげたのは、別所さんだ!え~っと。。。別所さんの名前が。。。。「あきら」だ!!うん、そうなんだ。別所さんがこの家に住んでたんだ??そして、郁也に、ピアノがあれば松永(父の友人。郁也の父親)が君を見捨てることはないとか、そんな小難しいことを、まだまだ小学生の子に言ったんだ??え??そうなの・・・でも、そうなんだよね。。。とここで、ずいぶんページをさかのぼっていろいろ読み返したんだよ・・・

で、ラスト、10章で、あんな事実が判明しちゃうから・・・・( ゚Д゚)

うん。私にしては、珍しく、おしかったのである(笑)

 

藤子不二雄が「SF」をサイエンスフィクションでなくて、すこし・ふしぎと言ったことから、人に少し○○とつけることを好んだ理帆子。彼女は少し不在。郁也君が少し不足。そういう考え方、面白い。面白いんだけど。。。、今やってるドラマリモラブで人を動物とか野菜とかに変換する主人公に対し、それはそうあってほしいと、現実から目を背けることだ!なんて諭されてて、ドラマと小説がリンクしたりして、あぁ。。。って思ったりして。。

ただ、エピローグで、Sを「すこし」でなくて、「すごく」に変換した郁也君。そして隣にいる理帆子。ふたりがとてもまぶしかった(^^)辛い事一杯あったけど、いい出会いだった。お互いにとって。。。。だから本編のつらい時代、さらには「若尾」の異常さの後味の悪さをすっきりと流してくれたて、あ~、なるほど、辻村さん、いいお話書かれるわね(^^)というところに落ち着くのでありました。

 

さてさて、次は「冷たい校舎の時は止まる」なんだけど・・・

ドラマ35歳の少女にでてきた「モモ」今読まないと、タイミング悪いよね(笑)

さらに早々に文庫化された風間教場は、新春ドラマの前に読まなきゃ!?

東野さんの新作も入手済みなんだけど・・・年の初めは東野作品。ここ2年程ちがうかったけど、そこまで寝かしますか(笑)

 

ライブや忘年会がないのが超さびしいけど、本やテレビに忙しい年末です。