makiのきまぐれ読書日記

読んだ本を忘れないように。。。

「スロウハイツの神様上」にはこんなにも伏線が!!

辻村深月さんのスロウハイツの神様

 

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本屋大賞はたいていハードカバーで、文庫化されるまで1年くらいはかかるじゃない?

で、前々回の大賞の「かがみの孤城」がまだ文庫化されないのね~。そういえば辻村深月さん、「ツナグ」しか読んだことないけど、その「ツナグ」も続編が出たのよね~とかって思いながら、辻村深月さんをググってみたら、おすすめだったこの作品。

最初読んだ時、はぁ、本を読んだ人が犯罪おこしたらそりゃぁ、本は悪者よね?

ん?環さんはお母さんの死に間に合わなかったって単純に冒頭に出てきたけど、全然単純じゃない、重いやん・・・

で、トキワ荘的に、アーティストの卵が集ってるハイツですか。。。なんだかんだいいながら、ちょっと、入り込めない人たちよねぇ・・・とかってぼ~って下巻に進み、途中から夢中になって読み終えた。

 

!!!!!

 

こりゃぁ、もう一度読み直さねばならぬ。。。ということでみたら数々の伏線があったねぇ。。。一応、まとめとこ。ということを思い立った

 

まずは、狩野くんのお仕事の話。

彼は、児童漫画で成功を夢見る漫画家。。。という事なんだけど、最初から言われてみれば違和感が!?環との喫茶店での待ち合わせ。環が早く来ちゃったときに、「締め切りの誓い仕事の道具を広げていた狩野は、大急ぎでそれをしまう。」それは、正義が彼の部屋を訪ねてきたときにも、同じ動作がある。「仕事道具を片づけて漫画原稿と取り出し~」

あれ?彼の仕事って??児童漫画で成功を目指す、ニートくんじゃないの?

ついでにいえば、こんな描写もあるのである。「喫茶店で狩野が作品の今後の展開についてを彼に相談していた時~」黒木さんと、作品の今後って、打ち合わせじゃん。。

あ~。正義が言うまでもなく、この辺で私も気付かねばならなかったのか・・・

果たして、「高額納税者」であるという彼の作品は話の中に出てくるのか?下巻も注意深くしていよう。。。

 

そして、おかしなコーキの行動について。

まずは、環がとにかく怒ったパーティー会場での「お久しぶりです」発言。事実を知ったうえで読むと、コーキの焦りっぷりがう垣間見える(笑)

黒木によるプラズマテレビのお話の「ふらっとヨドバシカメラに寄りたがって~最新型をお買い上げ。~所在を尋ねたら、よく見たら接続が面倒で、だから人にやってしまった」・・・なんていう話は、騙されてる黒木さんが気の毒でありながら泣けてくる。

彼本人の「この間はそれも間に合わなくて、叱られました。身体って本格的に一度壊すと大変ですね・成人してから初めて病院に入院しなきゃいけなくなって~」ってそんなにのんびりと話してるけど。。。まぁその瞬間もそうだったけど、大変よ!って改めて思う。

ふたたび黒木さんが莉々亜の歓迎会の「オズ」のケーキで思い出した「いつだったか、三食これを食べて過ごしたことがあっただろう?」って話は、当事者揃ってるのに、黒木さんったら!!って。コーキくんにしてみれば、もう焦る以外の何物でもなし!(笑)

そのケーキつながりでは、莉々亜が、環に対して大げさに表現する癖があるって疑問視した「コンビニ展開」。。。莉々亜ちゃん、嘘じゃないのよ。環にとってはそれが真実なんだよ!って。

ーーー人間は自分が計算していればしているだけ、相手の計算やごまかしを敏感に読むようになる。疑い、目敏く発見する。

そう、その通りだわ。。。

 

そして、莉々亜と環。

正義が、莉々亜がコーキの天使ちゃんだと確信する理由の一つ。「あの子、二十五歳だった。環と同い年だよ」それを知って改めて、狩野が環に電話して「加々美さんさ」と言ったのに対し「え?何?」ととぼけた声が返ってきたとか「苗字を聞いたときは、何事よって思ったけど。」発言、さらには「できるだけ莉々亜ちゃんのことは苗字じゃなくて名前で呼ぼう」のくだりなんて・・・・!!!!!

 

あとついでのようにいえば、スーの彼氏になる男五十嵐くんがしっかり名前付きで登場してたり、なんで狩野が桃花ちゃんから情報を持ってたのかなどなど。。。

 

とにかく!

あ~作家さんって、一つの作品書くときには、すでに完成形があって、そこにどうやって持っていくかって、それを考えてるんだなと今更ながらに納得。

余談だけど、私が小学校の時だったかな?絵本クラブ?小説クラブ?みたいなのに一瞬属してたことがあって、物語を何週間かかかって作ったんだけど、その時思いついたことしか書かないから、最初と最後では全くの違う話になっている!という失敗を思い出して、あ~、私は昔から読むのがとても好きだけど、作るという才能ははなからなかったのね(^^;と何度目かもわからない、ただ、読む人である自分でよかったと自分の立ち位置の確認と、作家さんに対する称賛を、この作品で、改めて思ったのである。

 

さてさて、下巻を再び了読した際に、記事を書くことができるか!?ということはさておき。。。そして更なる、発見に踊らされるであろうことにドキドキしながら。。。

再び下巻に進みます。